【がん研セミナー(5月7日)のお知らせ】「造血幹細胞はどこで、どのように発生するのか?」横溝 智雅 博士(順天堂大学医学部内科学血液学講座)
2012年05月01日
がん研セミナー(5月7日)のお知らせ
演題: 造血幹細胞はどこで、どのように発生するのか?
演者: 横溝 智雅 博士 (順天堂大学医学部内科学血液学講座)
日時: 2012年 5月7日(月)16:00-17:00
場所: 吉田講堂
連絡先: 森 誠一(内線5332)
抄録:
近年、組織幹細胞に関する研究が数多くおこなわれ、幹細胞の維持・分化機構への理解が急速に進んでいる。一方、組織幹細胞の発生機構については研究報告も少なく、未解明な点が多い。もっとも解析の進んでいる組織幹細胞である造血幹細胞も例外ではなく、どのような細胞が、どこでどのように血液細胞としての性質および幹細胞性を獲得し、機能的な造血幹細胞として振る舞い始めるのか、依然として多くが謎に包まれている。
マウスでは、胎生10.5日目にAGM(Aorta-Gonad-Mesonephros、背側大動脈—生殖隆起—中腎)領域内で初めて造血幹細胞活性が検出される。また、この時期のAGM領域内の背側大動脈には、血液細胞クラスターと呼ばれる特徴的な細胞塊が観察される。これまで、この血液細胞クラスターが発生直後の造血幹細胞なのではないかと推測されていたが、観察手法の問題から詳細な解析は行われていなかった。今回我々は、独自に発展させた3Dイメージング法、FACSを利用した解析をおこない、血液細胞クラスターと造血幹細胞の関係について新たな知見を得たので紹介したい。
*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、医学生物分野の研究に携わる方を対象としております。