新着情報

印刷

  • HOME
  • 新着情報
  • 【第20回先端研究セミナーのお知らせ「イモリの再生能力解明をめざした遺伝子機能の研究モデル確立」林 利憲 博士(鳥取大学医学部生命科学科 生体情報機能学講座・生体情報学分野 准教授)】

新着情報

【第20回先端研究セミナーのお知らせ「イモリの再生能力解明をめざした遺伝子機能の研究モデル確立」林 利憲 博士(鳥取大学医学部生命科学科 生体情報機能学講座・生体情報学分野 准教授)】

2014年01月29日

第20回先端研究セミナーのお知らせ

 

演題:イモリの再生能力解明をめざした遺伝子機能の研究モデル確立

 

演者:林 利憲 博士(鳥取大学医学部生命科学科 生体情報機能学講座・生体情報学分野 准教授)

 

抄録:体の損傷部位を再生する能力は個体の生存にとって有利に働くと考えられるにも関わらず、ヒトやマウスをはじめとする哺乳類は限定的な再生能しか持たない。一方、両生類のイモリは四肢や尾だけでなく、脳や心臓に至るまで体の様々な部位を再生できる。このようなイモリの再生現象は長い研究の歴史を持つが、その機構を遺伝子レベルで明らかにするような研究は進んでいない。これまで広く使われてきた日本産アカハライモリや北米産ブチイモリは成熟までに数年を要する上、大量繁殖が難しい。このため有用なトランスジェニック(Tg)個体を作製しても、それを系統化できず、遺伝子機能の体系的な解析が不可能であった。これに対して我々はスペイン産のイベリアトゲイモリを見いだし、研究室での繁殖が容易であること、他のイモリと同等以上の再生能を持つことを確認した。その上で遺伝子導入法の確立を行い、Tg個体の作製から約半年で次世代が得られることを示した。さらに本種を用いて、組織特異的な遺伝子発現、熱ショックプロモーターと赤外線レーザー照射を組み合わせた細胞単位での発現誘導、タモキシフェン依存型のCre-loxP組換え系を確立してきた。さらに任意の遺伝子配列を破壊できる人工ヌクレアーゼ(TALEN)が効率よく機能することも明らかにした。現在はTALENを介したloxP配列の挿入によるコンディショナルノックアウトイモリの作製に着手している。これら実験系を駆使することで、かつてない方向から再生機構の解明に迫ることができる。加えてイモリには、がんにならない、30年以上とも言われる長寿命、強力な止血力、巨大なゲノムサイズなど興味深い特性がある。我々が確立しつつある実験系は、これらの研究にも役立つだろう。今回は、イベリアトゲイモリが開く新しい研究の可能性について議論したい。

 

日時:2014年2月18日(火) 14:00〜15:00

 

場所:吉田講堂

 

連絡先:広田 亨

 

*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、 医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。

 

このページのTOPへ