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【がん研セミナー(4月13日)のお知らせ 「がんと低酸素応答・予想外のエネルギー代謝制御機構」南嶋 洋司博士(九州大学 生体防御医学研究所 細胞機能制御学部門 分子医科学分野 特別研究員)】

2016年04月06日

がん研セミナーのお知らせ

 

演題:がんと低酸素応答・予想外のエネルギー代謝制御機構

 

演者:南嶋 洋司博士(九州大学 生体防御医学研究所 細胞機能制御学部門 分子医科学分野 特別研究員)

 

要旨:

(1) 低酸素環境に暴露された細胞や癌細胞からは、活性化した嫌気解糖によって大量の乳酸が血中に放出される。大量の乳酸が血中に放出されると、個体は乳酸アシドーシスに陥ってしまう筈だが、全身の細胞で低酸素応答を活性化せたマウスでは、致死量の乳酸を負荷しても、対照群と比較して生存率が有意に高いことが判明した。各種疾患に合併する致死的な乳酸アシドーシスに対して、低酸素応答を標的とした新しい治療法を提唱したい。

 

(2) 膵癌組織の特徴として、血管の乏しさや間質の豊富な線維化などが挙げられるが、これは膵癌細胞が低酸素・低栄養環境下でも増殖し得ることを示唆している。癌間質の線維芽細胞などが合成する細胞外基質(ECM)は、癌細胞の足場やシグナル伝達分子として機能していることが知られているが、我々は膵癌細胞がECMに含まれる多糖成分・グリコサミノグリカン(GAG)をエネルギー源として利用している可能性があることを、メタボローム解析を用いて証明した。膵癌細胞が線維芽細胞の力を借りながら低栄養環境下で生存するために重要な役割を果たしていると思われるGAGおよびその代謝経路は、癌治療戦略の新たな標的となりうると考えた。

 

以上、生体内の様々な生理的・病理的イベントを、代謝の側面から探っていきたいと考えている。

 

日時:2016年 4月 13日(水)16:00〜17:00

 

場所:吉田講堂

 

連絡先:野田 哲生(内線5231)

 

*外部の研究者のご来聴を歓迎いたします。尚、本セミナーの内容は専門的であり、

医学・生物分野の研究に携わる方を対象としております。

 

 

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