【がん研セミナー(11月24日)のお知らせ「転写因子BACH1がつかさどるフェロトーシス制御ネットワークとフェロトーシスの伝播現象」西澤弘成博士(東北大学大学院 医学系研究科 生物化学分野)】
2021年11月04日
がん研セミナー(11月24日)のお知らせ
演題:転写因子BACH1がつかさどるフェロトーシス制御ネットワークとフェロトーシスの伝播現象
演者:西澤弘成博士(東北大学大学院 医学系研究科 生物化学分野)
抄録:フェロトーシスは近年報告された鉄依存性の細胞死であり、アポトーシスと同様に生体内でがん抑制メカニズムとして機能する。特に、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤などの分子標的薬に耐性化した がん細胞がフェロトーシスへの感受性を示すことが分かっており、分子標的薬耐性を克服するための鍵として注目されている。また、免疫チェックポイント阻害剤による腫瘍縮小効果も主にフェロトーシスによることが示されており、フェロトーシス制御経路の解明は今後のがん薬物療法の発展のための喫緊の課題だと考えられる。
私たちは、ヘム応答性の転写因子であるBACH1が、グルタチオン合成経路と細胞内自由鉄代謝経路の構成因子の転写を抑制し、フェロトーシスを多角的に促進することを見出した。BACH1はフェロトーシスの強力な促進因子だと考えられる。さらに、フェロトーシスは脂質過酸化反応の伝播によって、周囲の細胞へ拡散していくことも発見した。今後、BACH1によるフェロトーシス誘導機構とフェロトーシスの伝播現象を利用した、抗がん治療としての細胞療法の可能性を模索している。本講演では、これらの研究結果に基づく今後の研究展開について議論したい。
日時:2021年11月24日(水) 16:00開始
場所:吉田講堂とオンライン配信によるハイブリッド形式
*新型コロナ感染拡大対策のため、吉田講堂での参加は先着順50人を上限とします。事前入場予約をご希望の方は前日までに reo.maruyama@jfcr.or.jp までお申し込みください。
*オンライン参加の方は以下のURLから事前登録後、お送りするZOOMアドレスからご参加下さい。
https://zoom.us/webinar/register/WN_yph_DkGhQzeACzEgMD7K6A
連絡先:丸山 玲緒(内線5441)