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外来かかりつけ患者さん ワクチン接種 Q&A
2025年05月07日
このページでは、ワクチン接種に関する疑問をQ&A形式で紹介しています。
【Q1】私はどのワクチンを打った方が良いのでしょうか。
【Q2】 どのワクチンもがん研で打てますか。
【Q3】 それぞれ、どのようなスケジュールで何回ぐらい打つのでしょうか。
【Q4】 費用はどれぐらいかかりますか。
【Q5】 ワクチンを打ってはいけない状況はありますか。
【Q6】 一度かかったことのある病気についてはワクチンを打たなくても大丈夫でしょうか。
【Q7】 がん治療中の場合、どのタイミングで接種が可能ですか。
【Q8】 一つのワクチンから次のワクチンまでの接種間隔は決まっていますか。
【Q9】 どのように予約すればよいのですか。
【Q10】 がん研にかかりつけではない家族も接種できますか。
【Q11】 ワクチン接種後に気を付けるべき点はありますか。
【Q12】 接種後にはどのような副反応が起こりますか。
【Q13】 副反応が起きた場合はどうすれば良いですか。
【Q14】 ワクチンを打つと、ワクチンそのものによってその病気にかかってしまうことはありませんか。
<ワクチンの内容に関する質問>
【Q1】 私はどのワクチンを打った方が良いのでしょうか。
【Q2】 どのワクチンもがん研で打てますか。
【Q3】 それぞれ、どのようなスケジュールで何回ぐらい打つのでしょうか。
【A1 & A2 & A3】
がん研有明病院がかかりつけの患者さん、特に化学療法を行っている、あるいは予定している患者さんに接種をお勧めしているワクチンは以下の5つです。
どのワクチンも接種を推奨していますが、当院で可能な接種体制のキャパシティーの問題などから、特定の時期に接種が集中しやすいインフルエンザワクチン、新型コロナワクチンについては当院での接種は行っていません。
肺炎球菌ワクチン、RSウイルスワクチン、帯状疱疹ワクチンの 3 種類のワクチンが接種可能ですので、ご希望があれば、外来主治医にご相談ください。
それぞれのワクチンの接種スケジュールは表の通りです。
【Q4】 費用はどれぐらいかかりますか。
【A4】
1-2 ヶ月あけて2回
当院で接種可能なワクチンについては、2025年4月現在の接種費用は以下の通りです。当院で対応していないワクチンについては、医療機関ごとに費用の設定が少しずつ異なりますので、接種するご予定の医療機関にお問い合わせください。
日本国内では特定の状況で使用する一部のワクチンを除いて、ワクチン接種は保険適応にならないため、いずれも自費での接種となります。上記に挙げた 5 つのワクチンのうち、インフルエンザワクチン、新型コロナワクチン、帯状疱疹ワクチンについては年齢と居住地によって居住地の自治体の補助が受けられる可能性がありますので、事前にご確認ください。帯状疱疹ワクチンについては、江東区以外にお住まいで任意接種の補助を受けられる場合や、23区外にお住まいで定期接種として接種される場合は、当院で接種を受けられませんので、ご注意ください。
【Q5】 ワクチンを打ってはいけない状況はありますか。
【A5】
急性の感染症(インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、その他)で発熱している状況では、ワクチン接種によって本来期待される免疫が十分につかなくなる恐れがあり、一般にワクチン接種は避けるべきとされています。これ以外にはあまり決まったものはありませんが、治療の内容によって主治医が別途避けるべきタイミングを判断する場合もありえます。外来主治医にご相談ください。
【Q6】 一度かかったことのある病気についてはワクチンを打たなくても大丈夫でしょうか。
【A6】
麻疹(はしか)、風疹、水痘(みずぼうそう)などのように、一度その病気にかかると、原則として二度とかかることはない病気があります(「終生免疫」と呼ばれます)。一方で、多くの感染症はこのような「終生免疫」がつくことはなく、生涯に何度でもかかってしまいます。
当院でかかりつけのがん患者さんにお勧めしている先に挙げた 5 つのワクチンについては、いずれも後者に該当する疾患に対するワクチンです。したがって、過去にかかったことのある病気だとしても、今後がん治療中に再度かかってしまうリスクがありますので、接種することが勧められます。
【Q7】 がん治療中の場合、どのタイミングで接種が可能ですか。
【A7】
ATCで点滴抗がん剤での治療を受けられている場合、ATC での薬剤投与日を避ければ、体調の良い時にいつでも接種可能です(一番良いタイミングについては諸説あり、あまり決まったものがありません)。内服抗がん剤での治療を受けられている場合や、放射線治療中の場合は、特に接種日の制限はありません。体調の良い時に接種することをご検討下さい。可能であれば治療開始する前の接種が勧められます。
手術を受けられる場合は、入院の 1 週間前までの接種をお願いしています。いずれの場合についても、接種を希望される場合は外来主治医にご相談ください。
【Q8】 一つのワクチンから次のワクチンまでの接種間隔は決まっていますか。
【A8】
同じワクチンについては、それぞれのワクチンごとに接種間隔が定められており、それに従う必要があります。当院で接種を行っている 3 ワクチンのうちで複数回の接種を行うのは帯状疱疹ワクチン(シングリックス)のみで、1-2ヶ月あけて2回の接種が必要です。
異なるワクチンについては、当院で接種を行っている3ワクチンは、いずれも接種間隔を特に気にする必要はなくいつでも接種が可能です。
<当院でのワクチン接種の仕組みについての質問>
【Q9】 どのように予約すればよいのですか。
【A9】
外来主治医にワクチン接種のご希望を伝えていただき、そちらでワクチン接種日の予約を取得するという流れになっています。外来主治医の診察時にご希望をお伝えください。その当日には接種ができませんが、次に検査等で受診予定の日などに合わせてワクチンの予約もお取り致します。
【Q10】 がん研にかかりつけではない家族も接種できますか。
【A10】
当院はがん専門病院であるため、原則としてがんの治療に関りのない患者さんの診療は行っていません。ワクチン接種についても、がん治療で当院にかかりつけの患者さんに限定して行っていますので、ご了承ください。
<副反応関連の質問>
【Q11】 ワクチン接種後に気を付けるべき点はありますか。
【A11】
一般に、ワクチン接種当日の過度な運動は避けることが勧められています。また、打った部位は揉んだりしないようお気を付けください。シャワー、入浴を避ける必要はありません。
【Q12】 接種後にはどのような副反応が起こりますか。
【A12】
ワクチンの種類によって少しずつ異なりますが、接種した局所で起こる副反応(痛み、赤み、腫れなど)や、全身に及ぶ副反応(節々の痛み、倦怠感、頭痛、発熱など)のそれぞれが起こる可能性があります。
いずれも軽度のことが多く、数日程度で改善します。新型コロナウイルスワクチンほどの強い副反応は通常生じません。
重大な副反応としては、ショック、アナフィラキシー(重度のアレルギー反応)が生じることがあるとされますが、極めてまれです。
【Q13】 副反応が起きた場合はどうすれば良いですか。
【A13】
軽度の発熱、接種部位の痛みや赤み、頭痛、倦怠感などの比較的起こりやすい副反応はいずれも、数日以内に自然によくなることがほとんどです。症状が辛くなければそのまま数日間は様子をみていただいて差し支えありません。万一、強い症状がある場合は、当院の外来にご連絡ください。
【Q14】 ワクチンを打つと、ワクチンそのものによってその病気にかかってしまうことはありませんか。
【A14】
ありません。
弱めたウイルスそのものを接種する形のワクチン(生ワクチンと呼ばれます)の場合には、極めてまれではあるものの、免疫が弱っている状態の方に接種した場合にその疾患に軽くかかってしまうことがあります。一方で、当院で接種を行っている 3 ワクチンはいずれも生ワクチンではないため、接種する薬液の中にウイルスそのものは含まれておらず、このワクチンによって感染が生じることは原理的にありえませんので、ご安心ください。