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がん研有明病院 薬剤部が 電子版お薬手帳と電子カルテとのシームレスな連携を開始 〜医療DX推進の一環として 薬剤データオフライン転送システムを研究的に導入〜

2026年06月10日

公益財団法人がん研究会有明病院(所在地:東京都江東区、以下、がん研有明病院) 薬剤部(山口 正和 薬剤部長、清水 久範 副薬剤部長、瀧口 友美 臨床薬剤管理室室長)は、薬剤データのオフライン転送システムである「harmoシステム」を医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として研究的に導入し、手術前に中止する薬剤の確認業務の効率化および精度向上を図るとともに、正確な服薬情報の共有により、さらに安全で質の高いがん治療につなげてまいります。

【がん領域における薬薬連携の課題】
電子版お薬手帳に記録される薬剤情報を含む患者さんのPHR(Personal Health Record)は、がん治療におけるQOL(Quality of Life)や医療安全の向上に深く関与します。特に入院時の持参薬確認等の薬剤情報連携は非常に重要である一方、病院内での薬剤情報の受け渡しが複雑であり、簡便に情報を共有する仕組みが十分に整っていない現状があります。また、多くの病院ではセキュリティ上の課題から、電子版お薬手帳の薬剤情報を電子カルテと直接連携することが難しく、手入力による持参薬確認作業が依然として多く発生しています。こうした背景から、国が推進する医療DXの流れの中においても、薬剤部門における持参薬確認のデジタル化の実装には依然として大きな課題が残されていました。
このたび、がん研有明病院 薬剤部は、電子版お薬手帳から電子カルテに薬剤情報の転送が可能な「harmoシステム」を導入し、自施設における有効性の確認と地域情報連携を視野に入れたモデル化の検証を見越して、このような課題解決に取り組むこととしました。

【取り組みについて】
@山口 正和 薬剤部長
今回目指すのは、東京都がん診療連携協議会(研修部会薬剤師小委員会)、東京都薬剤師会、東京都病院薬剤師会の三団体で立ち上げた東京都がん薬物療法協議会が提唱する「東京モデル」の醸成です。「東京モデル」では、患者さんが保有するPHR情報等を簡便に電子カルテへ連携し、病院薬剤師の業務効率化を進めるとともに、薬局薬剤師ががん患者さんをフォローアップしやすい環境を実現するための仕組みづくりを進めています。その第一歩として、PHRである電子版お薬手帳の薬剤情報を病院としても連携できる基盤づくりから始めることが重要だと考えています。第一歩目ではありますが、電子版お薬手帳の情報を病院で閲覧し、電子カルテに転記が出来ることだけでも業務効率化を図れるのではないかと期待をしています。

A清水 久範 副薬剤部長
情報連携の発展的展開には『時間の捻出』と『セキュアな環境下における患者個人情報の取り扱い』が課題となっております。患者さんの情報を正確に医療機関内に還元するには対人業務の充実が必須だからです。「harmoシステム」は、業務効率の向上と安全管理に寄与し、時間短縮を有効利用できる可能性があります。段階的な検証を重ね、情報連携プラットフォーム構想と連動した合理的な取組を目指し、モデル化に向けて推進してまいります。

B瀧口 友美 臨床薬剤管理室室長
「harmoシステム」を活用することで、これまで困難だった電子版お薬手帳の情報を電子カルテへスムーズかつ正確に取り込めるようになります。これにより、服薬状況の把握が容易になり、安全性向上と業務効率化を同時に実現できます。入退院支援室での導入からスタートしましたが、今後は病棟でも使用できる環境を整え、院内全体での活用を進めていきたいと考えています。こうした取り組みにより、患者さんの薬剤情報をより正確に共有し、より安全で質の高いがん治療につなげてまいります。

【「harmoシステム」のダイレクト・オフライン転送について】
「harmoシステム」はどの電子版お薬手帳でも病院内のシステム(電子カルテや持参薬鑑別システム等)に手入力を必要とせず薬剤情報の転送が可能。

▼ダイレクト・オフライン転送による連携イメージ



■がん研究会について
がん研究会は、「がん克服をもって人類の福祉に貢献する」ことを基本理念として掲げ、研究所と病院が一体となってがんの本態と個性を明らかにし、がんの診断・治療・予防に貢献すると共に、生命科学の先端を開拓することを目指しています。その実現に向けて、新薬開発のための臨床試験(治験)や、新たな治療法・診断法の開発につながる臨床研究を積極的に実施しています。また、基礎研究を診断・治療法の開発へつなげる橋渡し研究、いわゆる「トランスレーショナルリサーチ」も推進しています。

Web:https://www.jfcr.or.jp/

 


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