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【ニュースリリース】がん研究会有明病院と株式会社ワコールが、「乳房再建手術」に関する共同研究を開始 〜より多くの方々に乳房再建手術を選択していただくために〜

2021年09月22日

公益財団法人がん研究会 有明病院(所在地:東京都江東区、病院長:佐野武、以下がん研有明病院)と、株式会社ワコール(本社:京都市、社長:伊東知康、以下ワコール)は、一人でも多くの乳がん罹患により乳房を切除された方々に、乳房再建手術を選択いただくことを目的に、乳房再建の発展に向けた共同研究を開始しました。がん研有明病院での乳房再建手術に、一人ひとりのからだに合うブラジャーの開発技術及びワコール「3D smart & try」による3D計測サービスをかけ合わせることで、乳房再建手術の推進に寄与するとともに、術後の暮らしにおける満足度の向上を目指します。

■共同研究の背景
乳がんを罹患した方は、手術・治療によって命が救われたとしても、患部である乳房を失うことがあります。また、手術後は片方の乳房を失ったことにより、日常生活で不便さや不自由さを感じる方は少なくありません。乳房を取り戻したいという方の選択肢の一つとして「乳房再建手術」がありますが、この乳房再建手術を結果として受けられる方の数は、全乳房切除術症例の2割に満たないと言われています。
そこで、がん専門病院としてがん治療技術向上はもとより患者さんのトータルケアにも真摯に取り組むがん研有明病院と、女性用インナーウェアを事業の中核に据え「女性のバスト」に関するノウハウをもつワコールが連携することで、「乳房を取り戻し、明るく前向きな人生を送りたい」と願うすべての方が「乳房再建手術」を選択していただける環境を実現するため、共同研究を推進いたします。

■研究内容
@サージカル(手術用メジャメント)ブラジャー開発
腹部・太ももから「自家組織」を移植する再建手術では、従来、再建する側の乳房の大きさ及び形状を目視で確認・判断してきましたが、術後、日常生活に戻った方の中には、「ブラジャーのサイズが合わない」「ブラジャーのワイヤーが胸にあたって痛い」などのお悩みを持つ方が一定数いらっしゃいます。そこで、ワコールの「3D smart & try」による3D計測サービス及びサイズオーダーブラジャー製造の技術を活用し、「サージカル(手術用メジャメント)ブラジャー」を作成。それを手術に用いることで、ブラジャー着用に適した乳房の大きさ・形状を執刀チームが可視化、共有できるようになり、患者にとって満足度の高い乳房再建が可能になると期待しています。今後は検証を重ね、「サージカル(手術用メジャメント)ブラジャー」の改良を経て、がん研有明病院での利用のみならず他病院への提供拡大を通じた、技術の普遍化を目指します。

A3Dボディデータ×3Dプリント技術を使用した試み
がん研有明病院の医療技術、ワコールの「3D smart & try」による3D計測サービス及びリコーグループの3Dプリント技術の3つをかけ合わせることによって開発されたものの一つとして、乳房を再現した3Dプリントバストがあります。この3Dプリントバストは、「柔らさ」が大きな特徴です。このような3Dボディデータをもとにした3Dプリンタによる患部等、人間の身体の部分再現は、乳房再建手術を含む医療現場における様々な課題に対応するという観点から期待できるところが大きく、活用方法含め、今後の可能性について検討を進めていきます。

■共同研究に関わる担当者コメント
公益財団法人がん研究会 有明病院 形成外科部長
矢野 智之

乳房再建に携わる医師として、どうしたら患者さんが望む乳房再建を行なうことができるのだろうかと長らく悩んできました。女性のバストに関して多くのノウハウを持つワコール様とチームを組む事はかねてからの念願でもありました。
今回の取り組みで、ブラジャーを介して患者さんが御自身の再建のゴールに積極的に関わることができます。患者さんーワコールーがん研が手を取り合うことで、患者参加型の医療の実現の一歩に繋がることに大きな喜びと可能性を感じています。

株式会社ワコール 執行役員 イノベーション戦略室長
下山 廣

弊社は、70年以上にわたり、主に下着の提供を通じて、一人ひとりの方の身体、日常に寄り添ってきました。今回、有明病院様より、弊社の培った知見と現在注力するデジタルサービスが、乳房再建の発展に寄与できる可能性についてお話をいただいた際は、強い使命感を感じました。
世の女性に美しくなっていただくことにより広く社会に寄与することは弊社の目標です。
一人でも多くの方に乳房再建を通じて元の日常を取り戻していただくことに、この共同研究が広く貢献できるよう、しっかり取り組んでいきたいです。

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