部門紹介

研究内容

最終更新日 : 2025年10月22日

目次

  1. 血液腫瘍
  2. 消化管
  3. 肝胆膵
  4. 乳腺
  5. 呼吸器
  6. 婦人科
  7. 泌尿器
  8. 頭頚部
  9. 骨軟部
  10. 脳腫瘍
  11. 甲状腺
  12. 皮膚

脳腫瘍チームの概要

メンバー:千葉、秋谷、井上

がん研有明病院には脳外科がありませんでした。脳腫瘍外科が2023年4月に新設され、同時に病理部脳腫瘍チームも発足しました。当院はがん専門病院であり、全身の様々ながんを診察していますが、これまでに脳転移をきたした場合には他の病院で診察を受けていただく必要がありました。現在では、転移性脳腫瘍も当院で診察・治療を実施しています。また、転移性腫瘍ではない、原発性の脳腫瘍はいずれも希少がんであり、その診断・治療には高度な専門性が求められます。脳腫瘍の最新のWHO分類(第5版、2021年)では、病理形態学的な診断と遺伝子解析を組み合わせた統合診断が必須となっています。これまでの形態学的な知識に加え、高度な遺伝学的な知識と技術を併せた世界標準の高度な診断を実施しています。

診療・診断

当院で治療経過中に転移性脳腫瘍を発症された方を診察するため、2023年に脳腫瘍外科を開設しました。現在は頭蓋内に出来たすべての脳腫瘍を対象として治療を提供しています。また、他病院で治療を受けられている方やこれから受ける方へのセカンドオピニオンも対応しています。

原発性脳腫瘍は脳実質、髄膜、神経鞘などから発生します。脳腫瘍の病理組織分類は、最新のWHO分類(第5版)に沿って実施しています(図1)。このWHO分類では、遺伝子異常と形態学的特徴に基づく統合診断が採用されています。当院の診断においても、遺伝子学的検査が必須となっています。遺伝学的検査は脳腫瘍が希少がんであるということもあり、いまだ保険適応されていませんが、診療上、必要不可欠の検査(ダイレクトシーケンス、FISH、PCRなど)に関しては病理部内で実施して、最新の知見に基づいた正確な診断を提供しています。他臓器のがんが脳に進展する転移性脳腫瘍の頻度も高く、特に肺癌、乳癌などを診断する機会も多いです。

脳腫瘍の検体数

  2023年 2024年
手術件数 49 -
細胞診(腫瘍) 30 50
細胞診(脳脊髄液) 67 91
組織診 55 100

図1
図1. WHO第5版に従った成人型びまん性グリオーマの診断フロー

研究

「脳腫瘍の統合診断と分子病理学的研究」を大きなテーマ(図2)として以下の研究を実施しています。

  1. WHO第5版に基づく脳腫瘍分子診断の確立
  2. 脳腫瘍希少例の分子病理学的研究
  3. 脳腫瘍迅速細胞診検体の有用性の検討
  4. Glioma/glioblastomaの悪性度に寄与する細胞内シグナル伝達経路の研究(図3)

図2
図1. WHO第5版に従った成人型びまん性グリオーマの診断フロー

図3
図3. IDH変異陽性グリオーマにおける腫瘍発生のメカニズム

Publication list

準備中

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