最終更新日 : 2015年5月26日
目次
- 治療効果判定法などに関する消化管グループの研究
- 胆膵グループによる前がん病変・上皮内がんの研究
- 治療選択への寄与を目指す頭頚部グループの研究
- 乳がんグループの研究
- 実験肝がんモデルを用いた肝がんの発がんメカニズムの研究
- 婦人科がんの病理学的研究
- 肺がんの診断,原因を追求する臨床病理学的,分子生物学的研究
- 泌尿器科腫瘍の臨床病理学的研究 - 染色体解析も援用して
- 骨軟部腫瘍の病理学的研究
- 血液腫瘍の病理学的,分子生物学的研究
- ヒト発がんに関する病理学的研究 - 環境因子・遺伝性因子に注目して
実験肝がんモデルを用いた肝がんの発がんメカニズムの研究
メンバー:北川、神田
肝がんは日本人では高頻度に見られるがんのひとつで、1995年の統計によれば、がんによる死亡の中で、男性では第3位、女性では第5位をしめています。近年、画像診断の進歩によって小さい肝がんや肝がんの前がん病変が見つかるようになってきました。肝がんの最終診断には病理組織学的検査が必要ですが、患者さんの負担を少なくするため、組織検査材料(生検材料)は小さくなっています。そのため、少ない材料でも可能な新しい検査法、特に遺伝子検査法の開発が待たれています。しかし、エタノール注入療法などの治療法の進歩により、肝がんの発がんのメカニズムを探るためのヒト肝がんの新鮮材料の入手は著しく困難になっています。
動物を用いた発がんメカニズムの研究は日本では長い歴史があり、肝がんでも多くの知見が集積しています。われわれは動物、特にネズミ(マウス、ラット)に誘発した肝がんを解析することにより、その知見をヒト肝がんに応用して、ヒト肝がんの発がんメカニズムを探り、最終的にはヒト肝がんを少量の検体で診断しうる遺伝子検査法の開発を目指しています。