患者さん・ご家族の方へ
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がんと上手に付き合うためのヒント

がんと上手に付き合うためのヒント

最終更新日 : 2025年10月22日

みんな仕事はどうしてる?

病気がわかった後、治療中、そして治療が一段落した後に、仕事に関して迷ったり、悩んだりする方は少なくありません。

  • 病気や治療のことを職場にどのように話せばよいかわからない
  • 働きたいけど、治療をしながら働けるのか不安
  • 治療のために休職したいけれど、収入が減ってしまうと、治療費や生活費が不安
  • 復職したいけれど、今の職場で以前のように働けるか不安
  • 治療が終わって体調もよくなってきたので、新たな仕事を探したい  など

ここでは、以下について解説します。

病気や治療と付き合いながら働くことを考えるためのヒント

●働くことの位置づけについて考える

経済的に必要、社会や人との接点、自分の能力を活かすもの、生活のメリハリがつく、病気のことを考えなくてすむ… など、働くことの位置づけは、一人ひとり違います。今は仕事より、治療や家庭、自分自身のことを優先したいなど、病気をきっかけに働くことの優先順位や意味が変化することもあります。

ちょっと立ち止まって、今のあなたにとっての働くことの位置づけをもう一度考えてみてください。

●病気や治療のこと、自分のからだとこころの状態を理解する

まずは、どのような治療になるのか、からだや生活、仕事にはどのような影響がありそうかを考えてみるとよいと思います。

  • 病気はどのような状態か:がんの種類、病状、現在の体調など
  • どのような治療か:治療内容 、スケジュール(通院頻度)、予測される副作用・合併症など
  • 治療中・治療後の生活にはどのような影響がありそうか
  • 仕事にはどのような影響がありそうか:就労形態、業務内容、通勤など
  • こころの状態はどうか:どんなことに不安を感じているのか、気持ちの落ち込みが続いていないか

病気や治療、自分のからだとこころの状況を整理して理解することは、簡単ではないかもしれません。家族など信頼できる誰かの力を借りたり、医師や看護師、がん相談支援センターにもご相談ください。

●職場の制度やサポーターを知る

職場の「就業規則」を確認し、どのような働き方に関する制度があるか/どのくらいの期間利用できるのか、経済面での補助はあるか、どのような相談窓口があるかなど、情報を集めてみましょう。
職場の人事労務部門の担当者が詳しい情報をもっていることが多いです。

確認しておきたいこと
職場内の相談窓口 □産業医 □産業保健師/看護師 □総括安全衛生管理者 □衛生管理者 □安全衛生推進者 □人事・労務担当者 □所属長 □直属上司 □その他
職場内の働き方
に関する制度
□時間単位の年次有給休暇 □積立有給休暇 □傷病休暇・病気休暇 □時差出勤制度   □短時間勤務制度 □在宅勤務(テレワーク)制度 □試し出勤制度 □その他
経済面 健康保険組合独自の補助制度の有無
傷病休暇・病気休暇中の賃金の有無
 *無給で仕事を休む場合、条件が当てはまれば、「傷病手当金」を申請可能です。
●場面ごとのポイント

ここでは、3つの場面でのポイントについて、簡単にご紹介します。

  • 仕事を休むとき
  • 復職するとき
  • 新しい仕事を探すとき
●お役立ち情報

役立つ情報源の例をご紹介します。

働き続けたい人が治療と仕事を両立するために 〜がん研有明病院の取り組み〜

●国の政策の動向

がんになっても安心して暮らせる社会の構築を目指して、「がん対策推進基本計画」「働き方改革」など国の政策として、働き続けたい人が治療と仕事を両立するための体制整備が進められています。

  • 職場(職場の産業医や保健師、人事担当、上司等)は、あなたを労働者として安全に雇い続けるために、病気や治療のことを知る。
  • 病院(医師)は、あなたが治療と仕事を両立することが可能かどうかを判断するために、あなたの業務内容、勤務体系、通勤手段などを知る。
  • 患者さんは、自分の病状を理解し、自分ができることや配慮してほしいことを明確に伝える。
●がん研有明病院の取り組み:「勤務情報提供書」に基づく「就労に関する主治医意見書」の発行

がん研有明病院でも、“働き続けたい” という気持ちをもつ患者さんが、治療と仕事を両立できるように、また安心して復職できるように、職場−患者さん−病院(担当医師、がん相談支援センター等)で情報共有しながら、支援したいと考えています。

• “働き続けたい”方が治療と仕事を両立するために (ダウンロードはこちらPDF)

勤務情報提提供書PDF

●がん研有明病院サポートグループ 「病気や治療と付き合いながら働くこと」 

同じような体験をしている患者・家族との情報交換を通して、「病気や治療と付き合いながら働くこと」に関するヒントを得ることを目的として、サポートグループを開催しています。

がん相談支援センターの医療ソーシャルワーカー、専門看護師・認定看護師などに加えて、社会保険労務士も参加して、ミニ講座と情報交換を行っています。

ミニ講座の主な内容
  • 働くことを考えるためのヒント
    • 仕事を休むとき
    • 仕事復帰のとき
    • 新しい仕事を探すとき
  • 就労継続のために知っておきたいこと
    • 職場の制度
    • 社会保険制度
情報交換のテーマ
  • 治療しながら働くことへの不安、工夫 など
●がん研有明病院のなかの主な相談窓口

病院1階がん情報コーナーに、病気や治療と付き合いながら働くことに関する資料を準備しています。ご自由にお持ちください。

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