患者さん・ご家族の方へ
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サバイバーシップ支援室

サバイバーシップ支援室

最終更新日 : 2024年3月13日

サバイバーシップ支援室

どなたでもがんになっても大切にしたいことがあり、最善の治療を受けられるのはもとより、安心・納得・信頼して自分らしい生活をおくることを望まれておられます。がんと診断され、治療を受けていく中で、年齢や性別、ライフスタイル、家族構成、治療内容などによってさまざまなことが起きてくることでしょう。がんサバイバーシップ支援室では、患者さんやご家族がより良い社会生活を送ることができるように支援するところです。

がんサバイバーシップ

がんサバイバーとは、がんの診断を受けた後を生きていく人々のことを指す言葉です。がんサバイバーが持たれている社会生活面でも様々な問題を、本人だけでなくその周囲の人々や社会全体が協力して乗り越えていくという考えをがんサバイバーシップといいます。

支援の内容

など

心のケア

がんの治療や療養を行う上で、こころを適切にケアすることは非常に重要です。誰もがいつもポジティブにいられるわけではありません。時には苦しみや辛さから弱音が口から出たり、涙が出ることもあると思います。そのような心細い、不安な時には腫瘍精神科を頼って下さい。また睡眠が十分でない、不安や気分の落ち込みが強くなることも珍しくありません。そのようなとき、がんを熟知した腫瘍精神科医と公認心理師が様々なサポートやアドバイスを行います。

腫瘍精神科は腫瘍精神科医2名、公認心理師3名が所属しています。腫瘍精神科医によるお薬のサポート、公認心理師によるカウンセリングのサポートを行っています。特に不安をどのように対処していくかは私たちがよく受ける相談の1つです。気持ちに蓋をすること、徹底的に向き合ってみること、上手くそらせるスキルを身に着けることなど、様々な方法があります。いわゆる“こころの病気”ではなくても、つらさは人の心を弱らせてしまいます。そんなとき、腫瘍精神科がお力になれます。

詳しくは腫瘍精神科のページをご覧ください。

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妊孕性支援

がん生殖とは

がん治療で使用される化学療法、放射線治療、手術は、妊孕性(にんようせい、妊娠するための力)に影響を及ぼすことがあります。がん治療の前に、妊孕能を温存するために考え出された医療を“がん生殖”といい、具体的には、女性では、受精卵・卵子(未受精卵)・卵巣組織を凍結する方法が行われます。男性では、精子凍結保存や精巣内精子採取術を行います。

当院では、妊孕性温存チームを結成し、妊孕性温存を希望する患者さんの支援を行っています。

当院のがん生殖外来について

妊孕性温存希望もしくは相談をご希望される患者さんの診療を行っております。妊孕性温存のための提携医療機関へのご紹介のほか、治療に伴う卵巣機能の変化を観察するためにホルモン値のモニタリング、生殖機能のチェックなども行っております。治療後の卵巣機能をフォローアップすることは、その後の生活や人生において大切なことです。また、妊孕性温存や妊娠・出産をあきらめなくてはいけなくなった方へのサポートも行っております。ひとりでも多くのがん経験者の方が、一般の方と同様に社会活動を行えるよう支援してまいります。

がん生殖助成金について

妊孕性温存療法に対して、助成金を申請できます。詳しくは、こちらをご覧ください。

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チャイルド・AYAサポートチーム

チャイルド・AYAサポートチームにご相談ください

がん研有明病院では多くの小児・AYA*世代の患者さん、子育て世代の患者さんが治療を受けていらっしゃいます。治療中、様々な状況の変化に対して、「自分ではどうしていいのかわからない」「何となく不安」「誰かに話を聞いて欲しい」「どこに相談したらいいかわからない」といった悩みに直面することもあると思います。チャイルド・AYAチームは、多職種のメンバーが連携しながら、患者さんの困りごとを早期に拾い上げ、サポートすることを目的に活動しています。自分らしさを維持しながらがんの治療を行えるよう一緒に考えましょう。

*AYA(アヤ)世代とは15歳から39歳までの思春期・若年成人(Adolescent and Young Adult、AYA)のことを指します。

1.小児・AYA世代患者さんへのサポート

小児・AYA世代は、体や精神の発達に伴う変化やライフイベント(就職、結婚、出産、子育てなど)が多く、生活環境も様々なことから、抱える問題や悩みも人それぞれ異なることがあります。当院では専用の質問シートを用いながら困りごとや心配ごとを伺っています。学校や仕事、妊娠・出産、外見変化など、患者さんのニーズに合わせて、医療やケア、情報を提供し、皆さんが安心して治療に臨めるようサポートしていきます。

CAYA(チャヤ)トーク

CAYAトークとはチャイルド〜AYA世代の患者さん同士が集い交流する場です。チャイルド・AYAサポートチームのメンバーがファシリテーターとして参加し簡単なエクササイズや、患者さんに自由にお話していただくことで同世代間のコミュニケーションをはかっています。

開催日時:毎月第3月曜日 15時〜16時

今年度の予定はこちらから

こちらはチャイルド・AYAサポートチームのポスターです。

皆で共に考え共に歩みたいとの思いからAYA世代患者さんとスタッフで作り上げました。

〜作者からポスター作製の感想と他の患者さんへのメッセージ〜

CAYAトークに参加してとても楽しかったのでポスター作製に関わることが出来て嬉しかったです。辛い治療になりますが一緒に乗り越えていきましょう。まだCAYAトークに参加したことのない方は、ぜひCAYAトークに参加してみてください。

とても良い思い出になると思います。

2.子育て中のがん患者さんへのサポート

子育て中のがん患者さんにとって、ご自身の病状や治療のことだけでなく、お子さんへ病気や治療についてどう伝えるか、伝えた後のお子さんのケアや親子関係について不安や心配事を抱えることがあります。チームでは、お子さんに病気を伝えるお手伝いやその後のフォローなど、必要に応じて介入しています。

子どもたちの中に育まれているレジリエンス(困難を乗り越える力)を引き出せるよう、お子さんの個性、発達段階や家族のあり方に合わせたサポート方法を患者さんと一緒に考え、お子さんが「親ががんで治療をする」という新しい生活に適応できるようお手伝いします。

幼児向けの動画『がん バイバイ』について

チャイルド・AYAサポートチームでは、2021年に、子育て中の患者さん138名からご相談をいただき、うち約36%が幼児期(1歳半〜6歳)のお子さんをもつお母さん、お父さんでした。その中で一番多かった心配ごとは、がん治療で見た目や体調が変わってしまうことをどう理解してもらうか、これから始まる治療のことをどう分かってもらうか、ということでした。

「小さいからといって、何も分からないわけではないと思うんです」と子どもたちの力を信じながらも、「どうすれば子どもを怖がらせずに話せるんだろう」と悩んでいるお母さん、お父さんがたくさんいます。

そんな患者さんたちの力になりたいと思い、がん手術を受けるお母さん、お父さんについて描いた『がん バイバイ』の動画を作りました。小さなお子さんにがんのこと、手術のこと、これからの生活のことをどう伝えるか迷ったとき、この動画が少しでもお役に立てれば嬉しいです。

対象年齢:幼児期のお子さん
内容:がん、手術
所用時間:約2分

★『がん バイバイ』を観てお気づきの点がありましたら、ぜひ、下記にアクセスの上、ご意見・ご感想をお願いいたします。

ご意見・ご感想はこちら

集合写真

チャイルド・AYAサポートチームはがん治療医、緩和ケア医、腫瘍精神科医、公認心理師、薬剤師、理学療法士、看護師、メディカルソーシャルワーカー(MSW)、チャイルドライフスペシャリスト(CLS)、管理栄養士などの多職種で構成されています。

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つばさ学級(病院訪問)

〜つばさ学級は、入院中の子どもたちの「勉強したい!」を支えるために設置された学級です〜

  1. 入院をすると、学校へ通うことが出来ない期間が長くなる場合があります。
    「勉強が分からなくならないかな・・・」といった心配する声も聞かれます。
  2. がん研有明病院には、つばさ学級(病院訪問)があり、都立墨東特別支援学校に転学することで、訪問教育を受けられます。
    都立墨東特別支援学級の教員または教育支援員が、病院に訪問し、原則マンツーマンで授業や学習支援を行っています。学級に通えない時はベッドサイドでも授業を行うこともできます。
    ※現在は新型コロナウイルス感染症対策のため、オンライン授業を行っています
  3. 退院後は、今まで通っていた学校に戻ります。その時に困らないように、今まで通っていた学校と連携をはかりながら、同じ教科書、ワークブック、ドリルや問題集、プリントなどを使用し、ひとりひとりの体調や病状に合わせて学習を行います。
  4. 対象の児童・生徒
    がん研有明病院に入院している児童・生徒(小学校・中学校)
  5. 授業の頻度
    1日2時間程度  3〜5日/週
つばさ学級は、病院5階売店隣りにあります

●問い合わせ窓口

トータルケアコンシェルジュ(病院1階) 又は 

がん相談支援センター受付(病院1階6番 会計窓口横) 

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アピアランスケア(旧 帽子クラブ)

がんの治療中は、脱毛したり、顔色が変化したりと外見の変化が起こりがちです。

当院では、2000年より「帽子クラブ」ががん治療中の外見のケア(アピアランスケア)の取り組みを行ってきました。

2022年からサバイバーシップ支援室の活動の一つとして、アピアランスケアコーナーとして活動の場所を外来に広げました。

ウィッグの試着、ボランティアの方が作った帽子の販売、がん看護専門看護師・がん化学療法看護認定看護師・がん体験者などのアドバイスなどを行なっております。

まだ活動の制限はありますが、がん治療中の外見の変化にお悩みの方はぜひお立ち寄りください。

がん治療中の患者さん用手作り帽子のご案内

■感染の観点から院外で作成されたものをお譲りいただいても病院では受け取れませんのでご了承ください。どうぞご自身でご活用ください。

アピアランスケアコーナー

場所:病院棟1階 10番外来横

日時:毎週月・水・金曜日 12時〜14時 

対象:外来患者さん( 入院患者さんもご利用可能ですが、コロナ感染予防のため混雑時はお待ち頂くことがあります)。

入院患者さんは、9階デイルームの帽子クラブコーナーをご利用できます。

日時:水曜日 15時〜15時30分(密にならないよう、お待ち頂くことがあります)。

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アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning:ACP)

ACP当院では、患者さんの思いを大切にしながら治療や療養生活に関する意思決定を支援するために、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)を用いたチーム医療を病院全体で行っています。

ACPとは、将来の自身の病状や様々な変化に備えて、今後の治療・ケア、今後の生活における希望を患者さん・ご家族や近しい人と医療チームがともに話し合い、患者さんの価値観や意思を尊重したケアをともに考えて計画していくことです。当院では、誰もがこれからのことを考える機会となるように、以下をおこなっています。

  • 初診の皆様にパンフレットをお渡ししています。
  • 共に治療について考えていくための質問用紙」を用いて、大切にしていること、気がかり、心もち、将来の療養先の希望などを整理していきます。
  • 一人一人の思いが尊重され、自分らしく過ごせるような治療・ケア・生活を続けるためには、医療者や支えてくれる人と話し合っておくことが大切なため、いつでもお話を伺います。
  • 患者さんの意思は、状況によって変化することがあります。その時の気持ちや、大切にしている価値観を共有しながら、繰り返し話し合いを持つことを大切にしています。
  • こちらから、声をおかけしてACPをおこないますが、ご相談希望の方は、トータルケアセンターコンシェルジュにお声がけください 。

4つのポイント

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遺族ケア

大切な方を亡くされたとき、様々な感情が浮かび上がります。そして時間の経過とともに癒える場合もあれば、苦しみが続く方もおられます。苦しみが続くと、大切な方との貴重な想い出が思い出しにくい心境に至ります。当院では、大切な方を亡くされたご家族の声をお聞きする外来を設けております。

遺族ケアは、毎週金曜日に遺族ケア専門の公認心理師が対応します。遺族の皆さんは、介護・看病の過程での後悔があったり、故人への思慕があったり、現在の生活への強い不安があったり様々な思惑が入り混じります。自分では整理できなくなった色々な思いを語って頂くことは、時に涙を伴います。この涙は、こころのつらさを癒してくれる重要な役割があります。誰にも話しにくいお話を聴かせていただくことで、自分自身へのねぎらいができる、故人との繋がりを確認できる、そして何より故人との貴重な想い出を振り返ることができ、前向きに生きていく足掛かりになると私たちは考えています。

詳しくは腫瘍精神科 遺族ケアのページをご覧下さい。

遺族ケア

受付方法

主治医または看護師に希望をお知らせください。支援を担当する部署に予約を入れさせていただきます。

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