がんと上手に付き合うためのヒント
からだや気持ちのつらさがある
病気や治療は、患者さん・ご家族にストレスをもたらします。ストレスは、からだ、こころ、行動の面で影響を及ぼすことがあります。そのため、からだや気持ちのつらさを体験することがあるかもしれません。からだと気持ち(こころ)は、お互いに影響を及ぼし合います。
ここでは、以下について解説します。
●からだのつらさへの対処のヒント
からだのつらさは、検査だけでは把握しにくかったり、他者には気づかれないこともあります。からだのつらさを1番よくわかる患者さん自身が、その状態について医療者に伝えることが重要です。そして、医療者は、からだのつらさの原因を検討し、その原因に合った医療を行い、患者さんに対処法に関するアドバイスをします。
からだのつらさを感じたときには
- 病院でもらった治療に関する説明書・パンフレットを読み返し、治療の合併症・副作用・後遺症に当てはまりそうかを確認する。すぐに病院へ報告・相談するように指示されている症状が出ている場合には、病院へ連絡する。
- いつから、からだのどの部分が、どんなときに、どの程度でつらいのか、それによってどのような日常生活の支障があるのかを医療者に伝える。体調日誌をつけておくと役立ちます。
- むりに我慢せず、指示された薬を使う。
- どんな時にからだのつらさが強くなるか/やわらぐかを考えて、強くなるきっかけをなるべく避け、やわらぐことを意識的に生活に取り入れる。
●気持ちのつらさへの対処のヒント
からだのつらさが大きいときには、気持ちのつらさも大きくなりやすいです。また、気持ちのつらさが大きいときには、からだのつらさを敏感に感じ取ることがあります。
気持ちのつらさを感じたときには
- 気持ちのつらさによって、どの程度の日常生活に支障があるか考えてみる。
- 自分の気持ちを信頼できる人(家族、友人、医師、看護師など)に話してみる。
- 日常生活のリズムを意識的に保つ。
- からだのつらさがある場合には、優先的に対処する。
- からだの緊張をやわらげる活動をしてみる:ストレッチ、散歩、シャワー、入浴など。
- こころのケアの専門家のサポートを利用してみる。
● “こころ” のセルフケアハンドブック
病気や治療と付き合うプロセスでは、気持ちが揺れ動くことがあるのは、自然な “こころ” の反応です。
“からだ” だけでなく、“こころ” のケアも大切です。
この冊子は、優しさや思いやりをもって自分の “こころ” を気づかう、“こころ” のセルフケアのためのヒント集です。ストレスへの対処法の工夫などを紹介しています。
病院1階がん情報コーナーに準備しています。ご自由にお持ちください。
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●がん研有明病院サポートグループ「病気や治療と向き合う上での気持ちのもち方」
同じような体験をしている患者さん・ご家族との情報交換を通して、病気や治療と向き合う上での気持ちの持ち方に関するヒントを得ることを目的として、サポートグループを開催しています。
がん相談支援センターの専門看護師・認定看護師、医療ソーシャルワーカーなども参加して、ミニ講座と情報交換を行っています。
| 内容 | |
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| ミニ講座 |
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| 情報交換 |
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●がん研有明病院サポートグループ「一緒にエクササイズ!〜からだとこころを整えよう〜」
同じような体験をしている患者さん・ご家族と一緒に、軽い運動や情報交換することを通して、からだとこころを整えるためのヒントを得ることを目的として、サポートグループを開催しています。
からだの緊張がやわらぐと、こころの緊張もやわらぐことがあります。
●お役立ち情報
役立つ情報源の例をご紹介します。
- 国立がん研究センターがん情報サービス「症状を知る/生活の工夫>さまざまな症状への対応」
- 国立がん研究センターがん情報サービス「症状を知る/生活の工夫>心のケア」
- がん研究会有明病院「がんに関する情報>患者さん・ご家族向け動画集>痛みとうまく付き合いあなたらしく過ごすために」
●がん研有明病院のなかの主な相談窓口
- 医師
- 看護師
- 薬剤師
- 栄養士
- がん相談支援センター
- 腫瘍精神科
病院1階がん情報コーナーに、参考資料を準備しています。ご利用ください。

