診療科・部門紹介
診療科・部門紹介

消化器センター

消化器センター

最終更新日 : 2017年12月20日

診療科の特徴診療実績スタッフ紹介トピックスNEW!がん研 胃がん通信

バックナンバー

※ こちらのページは医療機関向けとなりますが、一般の方もご覧ください。 


胃外科通信

ごあいさつ

われわれ、がん研有明病院 消化器センター胃がんグループでは「胃がん治療をあきらめない」をモットーとして、日々の臨床を行っております。

本号ではご紹介頂いた患者さんがどの様なプロセスで検査や術式決定がなされているかをご説明致します。また、早期胃癌に対する治療として欠かすことのできないESD治療についてもご紹介します。また、最近行っている、センチネルリンパ節研究についてもご紹介します。少しでも我々の日常臨床を知っていただければ幸いです。

(胃外科部長:比企 直樹)


がん研有明病院 胃がんグループの取り組み

【胃がんグループでのカンファレンスの実施】

  • 当院での胃がん診療の3つのポイント!!

当院での初診から治療までの流れ

右図に初診時から治療までの流れと主な3つの特徴を示します。

@ 迅速な精査
ご紹介頂いた患者さんは、基本的に初診時に、遅くとも1週間以内に内視鏡やCTなど必要な検査を行い、大まかな治療方針を決定します。

A 内視鏡画像の全例レビュー
外科切除症例であっても全例内視鏡医のカンファレンスにて画像を見直し、深達度診断などを行います。

B 胃がんグループでのカンファの実施
毎週月曜日には、内科・外科・化学療法科にて、胃がんカンファレンスを行い最終的な治療方針を決定しています。その他、各科でもカンファレンスを行い、具体的な治療内容について検討しております。

このようにひとりの患者さんの病状を複数回のカンファレンスを通じて吟味することがより良い治療につながると考え、毎週繰り返し行っています。当院では迅速な診断と治療開始を心がけておりますので、外科症例でも初診から2週間程度で切除を行うことができています。

【胃がんセミナーの開催】

胃がんセミナー会場の様子

2017年6月28日、当院へ患者さんをご紹介いただいている先生方をお招きして、がん研 胃がんセミナー『がん研有明病院は胃がんにこう立ち向かう(2)』を開催致しました。

第2回目となる今回は、@平澤俊明上部消化管内科医長(現副部長)より「胃がん内視鏡診断 -明日から役立つ!早期胃がんの見つけ方-」、A大橋学胃外科副部長より「がん研胃外科が目指す機能温存手術」、B山口研成消化器化学療法科部長より「胃がんに対する化学療法-新しいガイドラインを見据えて-」、C佐野武消化器センター長より「胃癌治療ガイドライン第5版に向けて」といった内容を紹介致しました。

83施設99名の先生方にご参加いただき、第1回に続いてご好評をいただきました。セミナー後の懇親会では、日頃お手紙やお電話のみでやりとりをさせていただいている先生方にご挨拶することができました。今後もがん研の胃がんに対する取り組みを随時ご報告させていただく予定です。是非ご参加ください。


上部消化管内視鏡診断部の実績

当院の内視鏡治療件数は徐々に増加し、2016年は約500例に到達しました。 そのうち、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)が90%以上を占めています。

  • 初診から1ヶ月以内に 入院・内視鏡治療を行うという計画で日々の診療を行っております。
胃体下部後壁の瘢痕を伴う早期胃癌に対するESD
最終病理結果は、瘢痕所見を伴う20o大の分化型早期胃癌であり、治癒切除が得られました。
  • このような内視鏡切除が困難な症例に対しても、積極的に内視鏡治療を行っています。当科に受診され、内視鏡的切除で胃癌を取り除くことができ、胃を切りとらなくて済んだ方も多くいらっしゃいます。

最近のトピックス:臨床研究のご紹介

【センチネルリンパ節生検】

早期胃がんは10%程度の頻度でリンパ節への転移を認めることが知られており、手術では通常原発巣(胃癌本体)の切除とともに予防的リンパ節郭清(胃周囲のリンパ節切除)が行われています。これらのリンパ節の中でも原発巣から直接リンパ流をうけるリンパ節は「センチネルリンパ節(見張りリンパ節)」と呼ばれ、最初に転移が生じる場所であると考えられています。つまり、この見張りリンパ節にがんの転移がなければ、他のリンパ節にも転移がないと診断できるであろうという考え方です。実際に乳がんや皮膚がんにおいてはセンチネルリンパ節生検が日常的に行われており、その結果に応じて縮小手術が可能となっています。しかし、胃がんではセンチネルリンパ節生検が正確に実行可能であるのかがまだ分かっていません。

当院では一定の基準を満たした早期胃がんの患者さんを対象として、センチネルリンパ節を正しく診断できるのかを検証する臨床試験を行っています。方法は、インドシアニングリーン(ICG)という色素液を手術中に胃がん周囲に注入し、専用の腹腔鏡を用いてセンチネルリンパ節を検出します。そのリンパ節を生検し、転移リンパ節であるかどうかをOSNA法という方法で診断するものです。なお、このようにセンチネルリンパ節を検出し、リンパ節郭清を省略する術式はまだ確立していない為、胃がんに対する手術は通常通りの方法で行っています。

この臨床試験によりセンチネルリンパ節の良好な転移診断精度が証明された場合は、胃切除とリンパ節郭清範囲が縮小でき、病状に応じた個別化手術が実現可能になると期待しています。

Dr.平澤の内視鏡クイズ

50歳代 女性、 既往なし
当院健診センターでスクリーニングの内視鏡を行った。

Q: どのような疾患を考えますか?

A: 胃底腺型胃癌

  • 最近話題の特殊型の胃癌。
  • 胃底腺の主細胞、壁細胞、Paneth細胞に類似した細胞が混在する上皮性腫瘍。
  • 頻度は胃癌の1.6%。
  • ほとんどがH.pylori未感染。
  • 内視鏡像は、黄色調でSMT様の扁平隆起。表面に毛細血管の拡張所見を伴う。
  • 粘膜深部から発生し、早期に粘膜下層に浸潤する。
  • ほとんどが低悪性度で予後良好であるが、悪性度の高いものも報告されている。


がん研有明病院から出版した胃癌診断の本です。

このページのTOPへ