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診療科・部門紹介
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泌尿器科

泌尿器科

最終更新日 : 2023年9月1日

泌尿器科の特徴|診療実績スタッフ紹介業績紹介

泌尿器科の特徴

米瀬 淳二
米瀬 淳二
副院長
泌尿器科部長
感染症科部長
医療クオリティマネジメントセンター長
院内感染対策部長

泌尿器科は腎実質と腎盂・尿管・膀胱・尿道から成る尿路、および前立腺、精嚢、陰茎、精巣などの生殖器、そして副腎や後腹膜における発生母地や病理組織像も多岐にわたる腫瘍を担当します。腎がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣がん(および性腺外胚細胞がん)などが代表的な対象疾患です。

診療内容

腎がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣がんを中心として下記の様々ながんの診断や治療に当たっています。

  1. 前立腺がん
  2. 腎がん
  3. 膀胱がん
  4. 腎盂尿管がん
  5. 精巣がん(および性腺外胚細胞がん)
  6. 副腎がん
  7. 後腹膜腫瘍
  8. 陰茎がん

治療法には単独のものや、各種の組み合わせがあります。

個々に適した治療を提供するために

当科では2023年2月現在14人の常勤医師と数名の非常勤医師で診療を行っています。多くのがん患者さんが当院に来院されますが、患者さんの希望に沿って、複数の治療選択肢のなかから、個々に適した治療を提案できるような診療を心がけています。提示する治療方針に関しては、泌尿器科医を中心に放射線科医、腫瘍内科医、病理医、薬剤師、看護師がカンファレンス(キャンサーボード)にて率直な意見を出し合って検討した上で、個々に適した治療法を、患者さんに提案できるようにしております。担当医師個人の独断に偏らない、それぞれの専門家による質の高い医療を提供するように努めています。また治療成績の向上を図るために、毎年がんの進行度による治療成績を解析して、よりよい治療を模索しています。

当科に入院された患者さんには3-4名の医師(担当チーム)が担当につき日々診療に当たります。がんの治療をしっかりと行い、順調に退院できるように、毎日担当チームで話し合いを行っております。また患者さん一人一人が予定されている治療を納得して受けることのできるよう、わかりやすい説明を心がけております。

当科における手術治療の特徴

がん治療の第一の目的はがんをしっかりと治すことです。当科ではこの目的を損なわない範囲で、積極的に低侵襲手術を導入しております。現在当科で行われる全身麻酔下手術の約80%は低侵襲手術となっています。低侵襲手術にはロボット支援下手術、腹腔鏡下手術、ミニマム創内視鏡下手術がありますが、それぞれの手術をその認定資格を有した専門医が施行しております。しかしながら広範な範囲に及ぶ手術、低侵襲手術ががんの根治度を損なわせる可能性のある場合、低侵襲手術が医学的に危険である場合(過去の手術歴や合併症などによる)においては、開腹手術を提示しております。

生活の質(Quality of life:QOL)を重視したがん治療

生活の質(Quality of life:QOL)を保てる範囲で最大限の治療を施行してほしいと希望される患者さんも増えております。ご高齢の方や合併症を抱えた方以外にも、若年の方においてもこのような要望は増えていると実感しております。当科には、根治性はやや劣るもののQOLの高い治療を希望される方が沢山来院されております。がん専門病院として、一方的にただ根治性の最も高い治療を提示するのみではなく、QOLと根治性のバランスが取れた治療プロトコールを当科は有しており、診療実績を積み重ねております(詳細は各がんの説明をご覧ください)。是非主治医にご相談下さい。

ロボット支援下手術

2023年2月現在、前立腺がん、膀胱がん、腎臓がんにおいてロボット支援下手術を行っております。当院では現在手術支援ロボット(ダビンチXi)を4台導入し、泌尿器科においても昨年約263例のロボット支援下手術を施行致しました。保険範囲内で治療が可能です。ダビンチは世界的に普及している、最新鋭の内視鏡手術支援ロボットです。ロボットが独自に手術を行うのではなく、術者がロボットを操作して行います。ロボット本体と操作台、助手用のモニターなどで構成され、ロボット本体には3 本のアームと1本のカメラが装着されています。

ダビンチでは3Dカメラで体内を立体的に映し出します。鮮明な3D画像、ズーム機能により、患部を拡大視野でとらえることが可能です。また3本のアームを術者が自由に操作することができます。様々な形状の鉗子は人間の手と同等以上の可動域があり、これにより精密な操作が可能となります。また手ぶれがなく手先の震えが鉗子の先に伝わらないように手ぶれを補正します。

ロボットの操作には熟練が必要なため、執刀はダビンチ手術システムの使用のための認定ライセンスを受けた医師が担当します。当院には現在プロクターと呼ばれるロボット支援下手術の指導者が5名在籍しており、質の高いロボット支援下手術を提供するように努めています。

プロクターとは

プロクターは、日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会が制定する、ロボット支援手術の円滑な導入と安全な普及を目的とした「泌尿器ロボット支援手術プロクター」と呼ばれる指導医認定制度のことです。プロクターは、ロボット手術を導入したばかりなど、症例の少ない他医療機関の招聘に応じて指導や教育を行います。学会で決められた一定数の症例数を満たさなければプロクターとしては認定されず、当科では2023年現在5名のプロクターが在籍しております。

 

【手術室(ロボット支援下手術)】

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