がんに関する情報
がんに関する情報

脳定位放射線治療

各疾患別の放射線治療

放射線治療の概要

頭蓋内の転移性脳腫瘍に対して、多方向から集中して放射線治療を行います。副作用は狭い範囲の治療のため少ないですが、腫瘍の大きさや位置によって頭痛や嘔気、けいれんなどの症状が出現することがあります。頭髪の一部が脱毛する場合もあります。稀に放射線治療を受けて数か月以降に脳壊死が起きることがあります。

スケジュール

治療計画用CTの撮影後、約7~10日後に治療開始となります。治療回数は3~5回で1日1回毎日行います。

治療計画CT

治療計画CTの撮影時は、シェル(メッシュ状のマスク)を作成します。治療中の体動抑制や位置合わせを行うために必要な道具です。仰向けの状態で閉眼し造影剤を用いて腫瘍を描出させてCT撮影を行います。1時間程度で撮影が完了します。同日にMRIを撮像し放射線治療する正確な腫瘍位置とサイズを同定します。これらの検査は通常1日で完了します。

図1. 治療計画CT(左)とMRI(右)とのFusion
図1. 治療計画CT(左)とMRI(右)とのFusion)

治療計画

症例により頭蓋内の脳全体に対して照射を行う(全脳照射)必要がある場合もありますが、頭蓋内の腫瘍に対してのみ集中して照射する技術を用いた治療が可能です。腫瘍にしっかりと放射線を照射しつつ周囲の正常脳に対しては最小となるように治療計画をおこないます。複数の腫瘍に対しても同時に照射することも可能で、寝台の向きも変えながらさまざまな方向から放射線を照射しピンポイントで治療を行います。(ノンコプラナー照射)

図2. 多発脳転移に対するノンコプラナーVMATを用いた治療計画
図2. 多発脳転移に対するノンコプラナーVMATを用いた治療計画

リニアック

腫瘍に対してピンポイントで照射するためには位置合わせが重要になります。当院では、複数のX線撮影装置(OBIやExacTracなど)を用いて正確に治療を実施します。治療中の体動(Intra-fraction)も治療に影響するため、照射中に適切なタイミングでX線撮影を行い体動の確認と治療位置調整を行い、日々の治療精度を高水準で提供します。

このページのTOPへ