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大腸がんの内視鏡治療と成績

大腸ポリープから早期大腸がんの発生

大腸ポリープは、ポリープを形成する細胞によって、腺腫性ポリープ、過形成性ポリープ、炎症性ポリープなどに分類され、治療が必要なポリープは、腺腫性ポリープと大きな過形成性ポリープとされています。
腺腫性ポリープは、大きさが大きくなるとがん化すると考えられており(図1)、一般的には10年以上の経過でがん化すると考えられていますが、当院での4年間の切除成績では、大きさが5mmのポリープでもがん化を認めています(表1)。したがって、患者さんの希望にもよりますが、原則として発見したポリープは、大きさに関係なく内視鏡的に切除します。

図1

図2

診断

大腸ポリープは、大きいものや出血の危険性が高いもの以外は、外来で切除します。切除した大腸ポリープは組織診断を行い、がん細胞の有無やがんが血管やリンパ管に入り込んでいるか、どの深さまで及んでいるかなどを正確に診断します。大腸内視鏡検査で早期大腸がんが疑われるものについては、最新の内視鏡技術(NBI [Narrow Band Imaging]、EU [超音波内視鏡検査]、拡大内視鏡検査)によって的確な診断を行い、治療方針を決定します。
当院では、患者さんのQOL(Quality of Life)を考えた、必要十分な治療を考えています。そのために、迅速な検査による正確な診断をめざしています。

治療

大腸がんの治療には、大きく分けて、1.内視鏡的切除(EMR)、2.外科手術、3.薬物治療、4.放射線治療があります。EMRは、内視鏡を用いて早期がんを切除する治療法ですが、この治療ですべての早期がんが完治するわけではありません。がんの疑いがある病変は、最新の内視鏡技術を用いて的確な診断を行い、内視鏡的治療の適応かどうかを判断します(図2)。内視鏡的切除の適応となるのは、がんの浸潤が粘膜下層までと浅く、腸管外のリンパ節に転移のないものです。
内視鏡的治療で完治したか否かは、切除した病変の組織をよく調べて判断します。しかし、その判断基準は施設により異なります。その理由として、病理組織診断の信頼性に施設による違いがあることが挙げられます。当院には大腸がん専門の病理診断医が在籍していますので、正確な病理診断を行い、がんが残っている恐れがあれば、外科手術を追加します。
早期がんの中には、内視鏡的治療が難しいため、外科手術を行わなければならない患者さんもいます。患者さんごとに治療法が違いますので、当センターでは、一人の医師の判断でなく、他の専門医と意見を交わしながら、治療方針を決定しています。
さらに必要に応じて、「大腸がんカンファレンス」や「キャンサーボード」で、消化器内科(内視鏡診療部)、消化器外科、化学療法科、病理部の各専門による検討を行ったうえで治療方針を決定することもあります。
現状と治療方針の説明はわかりやすい用語を用いて行い、ご本人はもちろん、家族の方にも正確に理解していただいたうえで治療を決定しています。

表1

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