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直腸がん術後局所再発に対する外科治療

進行した直腸がんに対する最新の集学的治療と手術

最終更新日 : 2020年5月28日

直腸は周囲を重要な臓器(仙骨や膀胱、前立腺(男性)、子宮や膣(女性)など)に囲まれています。直腸がんの手術では基本的に直腸周囲の臓器を温存しながら直腸のみを切除する(TMEと呼ばれています)のですが、残念ながら10%前後の患者さんに直腸がんの手術後に局所再発(骨盤内にがんが再発すること)が生じます。

不幸にも局所再発を生じたとしても、他の部位への切除不能な転移を認めないなどの条件が整えば手術により治癒を得ることが可能です。しかし、再発腫瘍が仙骨や前立腺などに浸潤(食いついた状態)しており、周囲臓器(仙骨や前立腺など)を合併切除しなければならないことが多くあります。また前回の手術の影響による癒着や瘢痕のため、手術の難易度が初回手術より格段に高くなります。そのため、局所再発の手術は海外ではセンター化され、限られた施設でのみ行われることが多いのが現状です。

直腸がん術後局所再発に対する外科治療

当院では局所再発に対する外科治療に対しても積極的に取り組んでいます。再発がんの状態によって、治癒の可能性を高めるために、消化器化学療法科や放射線治療部などと力を合わせて、手術前に抗がん剤治療や放射線治療を行います。また当院の特徴としては、難易度の高い局所再発に対する外科手術も基本的に腹腔鏡下で行っていることが挙げられます。2018年までに89例行っています。骨盤内臓全摘術(膀胱や前立腺を同時に切除する術式)、仙骨合併切除のような非常に大きな手術においても腹腔鏡下で行うことで、開腹手術に比べ出血量の少ない、より正確な手術が可能になると考えています。直腸がん局所再発に対する腹腔鏡下手術は一般的に広く行われている手術ではなく、腹腔鏡下手術と直腸がん局所再発の十分な経験を持った外科医により行われるべきものですが、当院の直腸がん局所再発に対する腹腔鏡下手術については、国際的学術誌にもその結果を報告しており、国際的にも一定の評価が得られていると考えています(Akiyoshi T他. Ann Surg Oncol 2015, Dis Colon Rectum 2019など)。

このように当院では拡大手術の経験豊富な大腸外科医と化学療法科・放射線治療部が力を合わせて、非常に進行した直腸がんや局所再発に対しても積極的に治療に取り組んでおり、他の病院で切除が困難とされた患者さんもセカンドオピニオンで多数来院されています。もし直腸がん局所再発と診断された場合は、当院のセカンドオピニオンでご相談ください。

文責:大腸外科 秋吉高志

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