がんに関する情報
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ロボット支援手術

最終更新日 : 2025年7月7日

大腸がんに対するロボット手術のご紹介

― ロボット手術体制を拡充:4台のロボット手術システム(ダビンチXi)に加え、5台目として単孔式手術システム(ダビンチSP)を導入し、より整容性・低侵襲性に配慮した治療へ

当院では、大腸がん(結腸がん・直腸がんを含む)に対するロボット手術を2018年に導入し、2025年2月までに1,000人を超える患者さんに対して、精緻な操作が可能なロボット手術を提供してきました。これまで、4つのアームを有する多孔式ロボット手術システム(ダビンチXi)を4台運用してきましたが、2025年7月には新たに、アームが1つの単孔式ロボット手術システム(ダビンチSP)を5台目として導入しました。これにより、整容性(見た目)や低侵襲性へのさらなる配慮が可能となり、患者さん一人ひとりの状態に応じて、最適なロボット手術を選択できる体制が整いました。

動画1 ロボット手術のご案内

開腹手術や腹腔鏡手術との違いを含め、ロボット手術の仕組みや特長について、初めての方にも理解しやすい構成で紹介しています。手術方法を検討中の方や、ロボット手術について知りたい方に向けた参考資料としてご覧いただけます。

ロボット手術の方法

「ペイシェントカート」とよばれるロボット本体に、カメラと鉗子(かんし:手術用の細かい器具)を取り付けます。これらを小さな創から体内に挿入し、手術を行います。手術を行う医師(術者)は、「サージョンコンソール」と呼ばれる操作席に座り、立体視の高画質モニターを見ながら遠隔操作でロボットを動かし手術を行います。

4つのアームを有する多孔式ロボット手術システム(ダビンチXi)

ロボット手術の特徴

高精細な視野3DHD(三次元高解像度)のカメラにより、手術部位を約10倍に拡大
高い操作性人間の手以上に曲がる多関節機能を有する鉗子を使用
手ぶれ補正機能正確な手術操作を支援

先端がよく曲がり手ぶれしない鉗子(執刀医は3D画像を見ながら操作します)

実際の手術の様子は動画2をご覧ください。

動画2 ロボット手術の実際
病院紹介動画「がんを治療する1」の中で、実際のロボット手術の様子をご覧いただけます(1分21秒〜2分10秒を参照)。

動画3 ロボット手術紹介動画(ダビンチXi/da Vinci Xi)
ロボット手術システム「ダビンチXi」の紹介動画です。
※本動画は、インテュイティブサージカル社より提供された公式素材をもとに掲載しています。

単孔式ロボット(ダビンチSP)とは

従来型のロボット手術(ダビンチXi)では、専用のカメラと鉗子を4つの小さな創から体内に挿入して手術を行うため、多孔式(マルチポート)と呼ばれています。一方、単孔式(シングルポート)ロボットであるダビンチSPでは、1か所の小さな創からカメラと鉗子を同時に挿入して操作できることが特長です。

この単孔式ロボット手術では、以下のような利点があるとされています。

  • 整容性創の数が少ないため、術後の創が目立ちにくい可能性があります
  • 術後の痛み創部が少ないことで、痛みが軽減され、回復が早まる可能性が報告されています

当院では、従来型のダビンチXiと単孔式ロボットであるダビンチSPそれぞれの特性を活かし、患者さん一人ひとりに適したロボット手術を選択しています。

動画4 単孔式ロボット手術紹介動画(ダビンチSP/da Vinci SP)
単孔式ロボット「ダビンチSP」のシステム構造や操作イメージをご覧いただける紹介動画です。
※本動画は、インテュイティブサージカル社より提供された公式素材をもとに掲載しています。

ロボット手術の歴史と導入実績

ロボット手術で使用される「ダビンチ」は、1990年代に米国で開発され、2009年に日本で薬事承認されました。

  • 国内導入数:800台以上(2025年1月時点)
  • 世界全体の導入数:約9,800台以上(2025年1月時点)

また、世界的には、2024年の1年間に約270万人がダビンチシステムを用いたロボット手術を受けたと報告されています(インテュイティブサージカル社データによる)。

当院の診療実績(結腸がん・直腸がんに対するロボット手術)

当院では、20185月から20255月までに、1,060人の患者さんが大腸外科でロボット手術を受けました。また、2024年の1年間では、全診療科あわせて1,104人がロボット手術を受けました。

文責:大腸外科 山口智弘

【医療関係者向け】手術見学および手術指導

ダビンチ手術を行うには、インテュイティブサージカル社のトレーニングコースを受講し、日本内視鏡外科学会の指針に沿った条件を満たす必要があります。当院の大腸外科・山口智弘医師(日本ロボット外科学会専門医、Robo-Doc Pilot 国際B級 日本内視鏡外科学会 ロボット支援手術認定プロクター)は、インテュイティブサージカル社より見学認定を受けており、手術見学や技術指導のご要望にも対応可能です。
ご希望の方は下記までご連絡ください。

<本件に関する医師・医療機関からのお問い合わせ先>

公益財団法人 がん研究会有明病院 総務課宛 (FaxもしくはEmailでお送りください)

〒135-8550 東京都江東区有明3-8-31

Fax:03-3520-0141 Email: soumuka@jfcr.or.jp

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