がんに関する情報
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ExacTrac

ExacTrac

放射線治療の概要

放射線治療において、治療直前のX線を用いた位置合わせは、がんに放射線を正確に照射するために非常に重要です。当院のVMATを用いた放射線治療では、全例でExacTracシステムuを用いた位置合わせを行っています。従来は3軸方向(上下・左右・前後)を基本とした位置合わせを行っていましたが、このシステムはさらに3軸の回転方向を考慮できるため、より正確な位置合わせが実現できます(図1)。このシステムは、強度変調回転照射(VMAT:Volumetric Modulated Arc Therapy)をメインに治療を行う3台のリニアックに搭載されています。

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図1. 当院のExacTracシステム 

ExacTracシステムを使用した頭頸部領域の位置合わせの例を示します(図2)。頭頸部領域は、頭・首・肩などがそれぞれ独立した動きを伴うため、位置合わせが非常に難しい領域の一つです。ExacTracシステムを適用する前は、顎や下頸部、後頭部が治療計画時の位置からずれていますが、ExacTrac適用後は位置が正確に補正されていることがわかります。

図 2. ExacTracシステムを用いた頭頸部領域における位置誤差の比較

ExacTracシステムを脳腫瘍の治療に応用した例を示します(図3)。通常は一連の治療につき1箇所を基本とした治療を行いますが、ExacTracを位置合わせに用いることで一度に複数個の脳腫瘍を治療することができます。

図 3. 脳転移に対するExacTracシステムを用いた5箇所同時治療