がんに関する情報
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膵がんに対する外科治療

膵がんに対する外科治療

最終更新日 : 2021年4月19日

手術療法

手術療法は、根治(病気を完全に治すこと)を目指す唯一の治療方法であり、病気を治す第一歩と言っても過言ではありません。切除の方法は、病気の発生した場所によって、以下のような方法が選択されます。

膵頭十二指腸切除術

膵頭十二指腸切除膵頭部に癌がある場合に、十二指腸・胆管・胆嚢を含めて膵頭部を切除する方法です。癌病巣のみならず、転移する可能性のあるリンパ節が十二指腸、胆管周囲にもあるため、これらの臓器ごと一緒に切除します。胃は出口の一部を切除する方法と温存する方法があります。膵頭部周囲は解剖学的にも複雑で、高度な技術を要します。また、癌が周囲に広がっている場合には、周囲にある血管、腸管などを合併切除することもあります。消化器外科領域では大きな手術と考えられます。その分、術後の合併症の頻度も高く、時に生命の危険もある重篤な合併症につながる可能性があることをよくご理解頂く必要があります。「膵癌診療ガイドライン」では「膵頭十二指腸切除術など膵癌に対する外科的切除術では、手術症例数が一定以上ある専門医のいる施設では合併症が少ない傾向があり、合併症発生後の管理も優れていると推察される」とし、「膵頭十二指腸切除術を年間20例以上施行している施設をhigh volume center」として、治療を受けることを推奨しています。

尾側膵切除術

膵体尾部切除膵尾部側に癌がある場合、膵臓の体尾部および膵臓に付着する脾臓を切除する方法です。良性疾患であれば脾臓を温存することもありますが、膵癌の場合は病変の切除だけでなく、周囲にあるリンパ節の切除(リンパ節郭清と言います)が必要になりますので、脾臓も摘出する必要があります。

膵全摘術

病巣が膵臓内を広汎に占拠する場合、膵全摘術が必要になることがあります。しかし、膵臓が有する外分泌機能(消化酵素を分泌する)および内分泌機能(主にインスリンによる血糖コントロールする)が失われるため、手術後には、膵消化酵素剤の内服や、血糖値をコントロールするためにインスリンの注射が一生必要になるなど、術後の生活の質に支障をきたすことも多い術式です。しかし、高力価膵酵素剤(パンクレアリパーゼなど)や、持続型インスリン製剤の開発により、術後の生活の質がさほど低下しなくなってきており、局所進行癌でも術前治療がしっかりと奏効した患者さんでは、積極的に膵全摘を行って根治切除を目指すことが多くなってきています。

バイパス手術

癌が切除できない場合でも、胃・十二指腸や小腸が狭くなったり、閉塞して食事が通らなったり、肝臓でできる胆汁が流れなくなる(黄疸)ことを回避するために、迂回路(バイパス)を新たに造る手術です。通常の手術と異なり、根治は期待できませんが、体に加わる負担が少なく、早期に次の治療(全身化学療法など)に移行することができます。

膵癌の手術の合併症

膵癌の手術の合併症には、膵液瘻・神経性の下痢・胃内容排泄遅延(術後しばらく胃の動きが悪くなり食事ができなくなる事)・出血・感染や、膵頭十二指腸切除を行った際の胆汁漏・胆管炎などがあります。当科で手術を受けられた方の合併症による膵癌周術期死亡率は0.5%以下です。

当院では、ほかの病院で手術不可能と診断されてから来院される方も多く、そのような手術も数多く手がけてきました。現在では年間200件前後の膵切除術を行っています。手術の安全性を保ちつつ、可能な限り根治を目指した手術を行うとともに、内科、放射線科、緩和ケア科とも連携したチーム医療を行うことで、癌の克服を目指していきたいと考えております。

 

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