がんに関する情報
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最終更新日 : 2020年5月20日
がん治療と食事外来担当医師一覧

がんの種類について

目次

当院、栄養管理部では、がん専門病院として、食事で体力、免疫力の増強をはかることを重視し、できるだけ個々の患者さんの嗜好を取り入れた食事を提供しております。

そして患者さんたちから寄せていただいた声をもとに、医師、栄養士、調理員が協力して食事を調製し、摂食率の向上を目指しています。

下記に、特徴的に取り組んでいる食事についてご紹介します。

Chapter 1: 消化管術後の食事について

■ 胃術後の食事について

胃は食べ物を貯めて腸が消化吸収しやすく整えるという働きを担っています。手術により胃の機能が落ちるため食べ方を工夫することが大切です。

胃の働きと食事の摂り方のポイント
  • 食べ物を細かくし、腸に少しずつ送る働きを補うために、一口ずつ、良く噛んで、30分以上時間をかけて食べましょう。
  • 胃の入り口の噴門部は逆流を防ぐ働きをします。食後、食べてすぐに横にならないようにしましょう。
  • 胃の容量が小さくなっていますので、1日の食事を5〜6回に分けて摂りましょう。個人差はありますが、3ヶ月程経てば、自然に食べられる量が増えていきます。体重が減らなくなったら、3回食に戻しても良いでしょう。
  • 術後は一時的に食欲が落ちることがありますが、時間が経てば少しずつ回復します。食欲がないときは、神経質にならずに「食べたい」と思うものを食べましょう。
  • 胃を手術したあと、食べてはいけないものはありません。硬いものや消化しづらいものは量を控えめに食べましょう。1〜3ヶ月後にお腹に不快な症状がなければ、少しずつ試していただいて構いません。
食物繊維の多い食品 きのこ、こんにゃく、海藻、ごぼう、たけのこ、山菜など
油を多く含む食品 揚げ物、ジャンクフードなど
硬い食品 いか、たこなど
消化の悪い食品 中華麺、餅
  • 胃酸が減ると食べ物を殺菌する力が落ちるので、刺身やお寿司などは新鮮なものを食べるようにしましょう。
  • 水分は、食事と食事の合間に、こまめに摂りましょう。

■食道術後の食事について

食道の手術は食道を切除し、胃を食道の代わりにすることが多いです。

胃術後と同じように、手術により胃の機能が落ちるため食べ方を工夫することが大切です。

胃の働きと食事の摂り方のポイントを参考にしてください。

■ 大腸切除後の食事

大腸の手術後1ヶ月くらいは腸の動きが弱く、腸閉塞が起こりやすい状態です。腸の動きが安定するまでの間は、食べ方に注意しながら、食物繊維の少ない食事を摂ることが勧められます。

術後は排便が不安定で下痢や便秘を起こしやすいため、水分補給を心がけましょう。

食事のポイント
  • よく噛んでゆっくり食べましょう。
  • 腸の動きが安定するまでの間は食物繊維が多いものを食べ過ぎないようにしましょう。
  • 下痢をしているときは、水分を十分に補給しましょう。
  • 便秘のときは、水分の摂取と適度な運動を心がけましょう。
手術後1ヶ月は下記の食品は控えましょう
食物繊維の多い食品 きのこ、こんにゃく、海藻、ごぼう、たけのこ、山菜など

■ 膵臓切除後の食事について

膵臓の手術後は消化吸収機能が低下しやすい状態です。少しずつ手術前の食事に戻していきましょう。また、胃や腸も部分的に切除した場合は、これらの臓器に負担をかけない食べ方が大切です。

膵臓の働きと食事の摂り方のポイント
  • 消化吸収を助けるために、一口ずつ、よく噛んで、30分以上時間をかけて食べましょう。
  • 手術直後は胃や腸の動きが低下していることで、吐き気や胃もたれを感じることが少なくありません。無理せず食事を残しましょう。
  • 吐き気や胃もたれなどの症状で食事量が少ないときは、1日5〜6食に分けることで栄養を確保しましょう。
  • 下痢の回数が多いときは、水分を十分に補給しましょう。
  • 血糖が上昇することがあります。手術直後で食事量が少ないときは食事制限の必要はありませんが、甘いジュースやお菓子の食べ過ぎは避けましょう。手術前と同じくらい食事量が増え血糖を指摘された場合は医師や栄養士から適正な食事量の指導を受けましょう。
  • 膵臓の手術の後に食べてはいけないものはありません。少しずつ手術前の食事に戻していきましょう。
下記の食品は少しずつ増やしていきましょう
食物繊維の多い食品 きのこ、こんにゃく、海藻、ごぼう、たけのこ、山菜など
油を多く含む食品 揚げ物、ジャンクフードなど

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Chapter 2: 頭頸部手術後の食事について

■ 嚥下調整食

嚥下(飲み込み)が困難になると、飲み物や食べ物が食道に入らず、気管に入ってしまう恐れがあります。これらが気管から肺に入ると肺炎を起こすことがありますので、特に注意が必要です。

嚥下が困難な方には、医師、看護師、言語聴覚士と管理栄養士が一緒に患者さんひとりひとりの咀嚼・嚥下機能を評価しながら、次のような食事を提供しております。

食事の種類
名称 形態
ゼリー食 ゼリー状のおかず
サラサラ食 料理をミキサーにかけて、コップで飲める程度に粘度を調整したもの
ペースト食 料理をミキサーにかけて、スプーンですくえる程度に調整したもの
ソフト食 料理をミキサーにかけて、軟らかい固さで再形成したもの
軟菜食 おかずを軟らかく調理したもの

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Chapter 3: 化学療法中の食事について

■ 化学療法食

化学療法中の患者さんは、治療に伴い、「味覚障害」「臭い」「吐き気」「食べる気がしない」「口内炎」等の理由で食欲不振を訴える方がいます。  

そのような症状への対応は、料理の味付けを調整(だしのみの味にする、逆に味を濃くする)、量を半分にする、高栄養の飲料や食品を付けるなど行っています。

また、少量でも食べられる喜びを保つために当院では食欲不振時の食事として1品を選択できる食事も用意しています。

食欲不振時に1品を選択できる食事
  • フルーツ盛り合わせ
  • カレーライス
  • 温かいうどん
  • 冷たいうどん
  • 焼きそば
  • お好み焼き
  • いなり寿司
  • スープ(コンソメ・冷製ヴィシソワーズ)
  • ゼリー
  • ヨーグルト
  • プリン
  • アイスクリーム
  • シャーベット
  • ジュース
●食欲不振時に、好まれる料理の代表例

酢味の物(お寿司、酢の物)、ソース味の物(焼きそば、お好み焼き)、味がしっかりとした物(カレー、ラーメン)、薄味の物(茶碗蒸し、奴豆腐)、麺類(うどん、素麺)、パン類(サンドイッチ、ピザ)、フルーツ盛り合わせ

※化学療法中で食欲が低下しているときは、食べたいものを少しでも食べて、水分はしっかりと摂るように心がけてください。

Chapter 4: 乳癌の方の食事について

■ 適正体重維持の必要性について

乳癌診断時に肥満があると治療の効果が劣るとの報告があります。また、肥満はリンパ浮腫悪化のリスク因子でもあります。

そのため、適正体重を保ち、自分のBMIを計算し肥満があれば体重のコントロールを行うことが勧められています。

〇BMI計算方法
BMI=体重(s)÷身長(m)÷身長(m)

BMI 判定
18.5未満 低体重
18.5〜25未満 普通体重
(BMI 22:標準体重)
25〜30未満 肥満(1度)
30〜35未満 肥満(2度)
35〜40未満 肥満(3度)
40以上 肥満(4度)
食事の摂り方のポイント
  • ゆっくりよく噛んで食べましょう。満腹中枢を刺激することで過食を防げます。
  • 食べ物や飲み物をいつもそばに置かないようにしましょう。減量に向いた環境作りも大事です。
  • 空腹感があるのは脂肪が燃焼している証拠です。どうしても我慢できないときは歯磨きなど別の行動で 気分を変えたり、温かいスープやカロリーの少ない食品で代替したりしてみましょう。
  • 就寝前、朝食前の体重測定をおすすめします。体重の増減には必ず原因があります。増減のあるときには、食事内容や日常生活を振り返ってみましょう。

■ 参考書籍

患者さん向けに、当院の医師、管理栄養士が中心となり関連スタッフと協力し、なるべく分かりやすいように具体的な食事のとり方やレシピを掲載しています。

抗がん剤・放射線治療に向き合う食事
比企直樹,伊沢由紀子,小口正彦,小倉真理子/女子栄養大学出版
大腸がん治療に向き合う食事
比企直樹,高木久美,小西毅,松浦信子/女子栄養大学出版
かんぞうがん・たんどうがん・すいぞうがん治療に向き合う食事
比企直樹,高木久美,井上陽介/女子栄養大学出版
胃がん治療に向き合う食事
比企直樹,望月宏美,熊谷厚志/女子栄養大学出版
口とのどのがん治療に向き合う食事
比企直樹,川名加織,佐々木徹,小泉雄/女子栄養大学出版
胃を切った人のための食事
比企直樹/ナツメ社

■ 臨床栄養と食事サービス

●臨床栄養

栄養管理部ミーティング

隔週、栄養管理部関連の医師、歯科医師、栄養士、調理員が合同で部門の運営や症例について話し合い、情報を共有して、患者さんの栄養管理に努めています。

入院中だけでなく外来でも栄養相談を実施しています。

医師と栄養士が一緒に回診して、その場で栄養管理の相談も行っています(左:栄養士)。

病棟の薬剤師と栄養士で情報を交換しながら栄養管理を実施しています(中央と右:栄養士)。

栄養に関する情報を看護師や他のスタッフと共有するために、病棟ごとに勉強会も開催しています(左:栄養士)。

口内炎や食欲不振がある化学療法中の患者さんに、栄養士と調理員が面談して食事内容を一緒に検討しています(左:調理員、右:栄養士)。

頭頸部の手術後は食べる機能が低下するため、栄養士と調理員が一緒に患者さんに面談して、食事の形態や内容について対応しています(左:栄養士、右:調理員)。

食事や経管・点滴などの栄養は、体重や体組成、検査値などから評価して管理を行っています。

食欲が低下した患者さんには栄養士がベッドサイドで相談しながら、食事調整を行っています。

化学療法により食欲が低下した患者さんに栄養指導と食事対応を行なっています(右:栄養士)。

緩和ケアを行っている患者さんの栄養管理や食事について医師・看護師と協働で対応しています(右:栄養士)。

ICUでは日々変化する患者さんの栄養状態をベッドサイドで検討して点滴・経管栄養の調整をしています(右:栄養士)。

●栄養サポートチーム
  • 各病棟で医師・看護師・薬剤師と栄養士が協働で患者さんの栄養管理に努めています。
  • さらに、毎週、栄養の専門スタッフ(栄養サポートチーム)が集まり、病棟から患者さんの栄養に関する相談について提案を行なっています。
●食事サービス

  • 医師の指導の下、栄養士と調理員が協働で、患者さんの食事検討や新しいメニュー開発に努めています。
  • 調理員も栄養士と一緒に入院中の患者さんを訪問して食事を検討しています。
●行事食

季節感を楽しんで頂くために、行事食も提供しています。

ひな祭りの行事食。右は嚥下障害のある方でも食べやすいように作製した「ソフト食」です

七夕の行事食。右は同日の「ソフト食」です。

※「ソフト食」は見た目がよく、飲み込みやすい形態に調理加工したものです。
同じ行事食を一緒に楽しんで頂きたいとの願いから、栄養士と調理員が心をこめて作成しています。

●特別食(選択メニュー)
  • 常食の方には、2種類の食事から選択できるメニューを実施しています。
  • 12階西病棟の特別個室の常食の方には夕食に選択できるメニューも用意しています。
特別個室食の選択メニュー例
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