がんに関する情報
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当院が提唱する新しい膵切除術式

当院が提唱する新しい膵切除式

最終更新日 : 2020年6月26日

進行膵がんに対する新しい膵切除術式

新しい膵頭十二指腸切除

膵頭十二指腸切除(PD; Pancreaticoduodenectomy)は、膵切除の7割を占める術式であり、消化器外科手術の中でも最も難度の高い術式の一つです。当院が提唱したSupracolic anterior artery-first approach(動脈先行処理法)により、出血量の大幅な軽減と、正確な癌郭清の両立が実現しました(下図)。また、複雑なこの術式の郭清レベルを、2系統に分類して調整することで、あらゆる疾患・癌の進行程度に応じたTailored Pancreaticoduodenectomyを実践しています。

新しい膵体尾部切除 DP-CAR

進行膵体部癌に対して、腹腔動脈幹の合併切除を伴う膵体尾部切除術(DP-CAR; Distal pancreatectomy with celiac axis resection)は、局所制御能が非常に高く、2000年台以降、全国的に広まりつつあります。しかし、この手術は内臓血管で最も太い腹腔動脈を切離する必要があり、術後の合併症率・死亡率が他の術式に比べて非常に高いといわれています(日本膵切除研究会アンケート2018:術後在院死 4.7%)。その一因として、術後に胃の血流が著しく低下して発生する虚血性胃症が挙げられます。当科では、胃の動脈血流を温存して術後の虚血性胃症や胃排泄障害を軽減するための術式を開発し、提唱しています(下図)。これにより、過去のDP-CAR 55例(2011~2019年)において、術関連死0%を維持しています。

このように発展的かつ定型化された切除術式の徹底により、手術の根治性と安全性を追求すると同時に、周術期の体調管理・栄養管理・手術に関する知識付けを包括的に行うプログラム(トピックス43:PERICANプログラムー大手術に患者さんと臨む)を2015年より導入し、患者さんが最良の状態で手術に臨めるように努めています。

以上の努力により、現在年間200例に及ぶ膵切除で術関連死亡率0.5%以下を保っています。

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