
各部署紹介
3階ICU病棟
多職種チームで支える早期回復への看護
部署紹介
ICU(Intensive Care Unit:集中治療室)は、術後に高度な全身管理を必要とされる患者さん(主に頭頸部癌・食道癌・膵臓癌の術後)や、がんの集学的治療中に呼吸・循環・代謝などの急性機能不全に陥った患者さんが入室します。ベッド数10床、2対1の看護体制で24時間、集中的な治療とケアを行っています。また一般病棟での管理困難なBSC患者さんもおり、患者さんとご家族の思いを支えながら必要なケアを提供しています。医療技術が進歩したとはいえ、がんと診断を受けた患者さんの多くは、他の疾患以上に「命に限りがあること」を意識し、「一日でも早く『普通の生活』に戻りたい」という強い思いを抱いて治療に臨んでいます。
がん専門病院におけるICUの役割は、術後急性期あるいはがん治療中に発症した危機的状況を最短・最適な状態で克服し病棟に引き継ぐことです。ICUでは毎日、ICU専任医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、臨床工学技士、医療ソーシャルワーカーで多職種カンファレンスを開催しています。カンファレンスでは、患者さんの現状と治療歴と治療方針を共有します。そして患者さんの目指すゴールを検討し、1日でも早く一般病棟へ戻れるように回復過程をサポートしています。
また、「院内救急医療チーム(Medical Emergency Team;MET)」のメンバーでもあり、年間約200件の要請があります。急変発生部署のスタッフと情報を共有し、最善・最適な医療を提供できるよう努めています。また、重症化が予測される患者さんの情報を事前に把握し、状態の悪化時には的確な対応ができるように該当部署と協働しています。
こんな看護をしています
ICU病棟は、様々な監視モニターや点滴ライン、人工呼吸器、血液浄化装置などの機械類に囲まれた特殊な環境にあります。状態の変化に気付くことができる安全な環境ですが、この特殊な環境を苦痛に感じる患者さんもいます。そのような環境の中で患者さんが一日でも早く元の生活に近い状態に戻ることができるよう日常生活援助と並行して早期離床に焦点を当てた看護を行っています。
「患者さんのそばにいること」はICU看護師の最も重要な役割です。一般病棟と異なり面会制限もあるなか、1人で闘病生活を送っている患者さんのそばにいるからこそ分かること・気づけることが多々あります。患者さんに合わせたコミュニケーション方法で不安や思いを傾聴し、表情の変化などから患者さんの反応をタイムリーに察知し、より質の高い医療を提供できるよう努めています。 また患者さんをサポートするご家族にも多くの戸惑いや悩みが存在するため、患者さんとご家族の思いを多職種チームで共有し、患者さんとご家族のそばに寄り添う看護を心がけています。
新卒1年目では主に術後の患者さんから受け持ちを開始します。助言のもとに疾患や病態の理解、手技の獲得や患者さんとの関りを学ぶことができます。1年目後半から段階的参加型シャドーイングを行い重症患者のケアを先輩看護師と学びます。2年目以降は人工呼吸器装着患者や緊急入室患者の受け持ちを開始し、重症患者に対する看護やアセスメント力を身に付けることができます。
職場内研修・勉強会
- 食道がん・膵臓がん・肝臓がん・胆のうがん・頭頚部がん・脳腫瘍外科術後の看護
- 心電図、人工呼吸器、血液浄化療法中の看護、その他医療機器の使用方法の勉強会
- 部署内での防災訓練、緊急時の対応のシミュレーション
- 早期リハビリテーション、家族ケアについての勉強会
- 急性重症患者看護専門看護師によるOJTと勉強会
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●ICUの様子 -
●ICU前の廊下 -
●5階庭園
早期回復に向けて早期離床に取り組んでいます。患者さんの状態に合わせて廊下での歩行訓練や庭園への散歩を行っています。