血液腫瘍科
血液腫瘍科とは
血液がんであるリンパ腫、多発性骨髄腫、白血病の診療を行っています。入院ベッド数は36床(内クリーンルームは個室6床・4人部屋5室)です。入院は主として化学療法導入、救援化学療法、自家造血幹細胞移植併用大量化学療法、治験を含む臨床試験の患者さんです。外来での継続が可能な患者さんでは外来治療センターでの外来化学療法に移行します。
当科を初診される患者さんは直近3か年でも増加傾向です。すべての患者さんの診療方針は、毎週開催される当科医師全員、連携診療科医師(特に放射線診断医、放射線治療医)、薬剤師、看護師、治験コーディネーターが参加する血液腫瘍科Cancer Board(カンファレンス)で検討・決定されます。リンパ腫診断に関しては、病理医との合同カンファレンスが毎週開催されています。当科ではこのような体制の元で患者さんへ医療を提供します。また実際の診療においては、治療法ごとの説明同意文書を整備しており、担当医からの口頭説明とともに分かりやすい病状・治療説明を心掛けています。
リンパ腫および多発性骨髄腫では日本臨床腫瘍グループ(Japan Clinical Oncology Group: JCOG)に参加し、中心的な立場を担っています( http://www.jcog.jp/basic/org/group/lsg.html )。白血病でも成人白血病研究グループである日本成人白血病治療共同研究機構(Japan Adult Leukemia Study Group: JALSG)に参加しています( 白血病|治療・研究|JALSG )。当院は日本で承認されているリンパ腫・骨髄腫に対する多くの薬剤開発に関わってきました。現在も国内外で開発されている新規薬剤・新規治療法の複数の治験を継続的に行っています。
また、当科で研修を希望する若手医師への教育体制も整えています。当科スタッフや連携診療科スタッフによるレクチャーシリーズを年間を通じて開催し、知識向上を図ります。臨床経験とそれに基づく臨床研究の立案と遂行から、学会発表・論文作成まで経験豊かなスタッフが指導します。また、多施設共同研究や新薬治験への参加により、治療・薬剤開発の実際を経験することが出来ます。
このように、当科のmission(使命)は診療・研究・教育の3本柱です。これらを連動することにより、医学の進歩と若手育成に貢献し、最終的には患者さんへの診療として還元するための持続可能な体制を整えています。