各部署紹介
9東病棟(乳腺外科・乳腺内科・形成外科病棟)
院内外の連携を意識し、退院後も安心して在宅療養できるように取り組んでいます。
部署紹介
私たちの部署には、乳腺科・形成外科の手術療法・化学療法・放射線治療だけでなく、終末期の症状緩和目的の患者さんも入院されます。入院患者さんの年齢は20〜80歳代と幅広く、様々な発達段階の時期にある子供を持つ場合や、核家族や独居、キーパーソンが高齢の親である場合など、患者背景は様々です。病床稼働率は89%で、約8割が新規入院される患者さんが占めるため、入退院支援部門と情報共有し、連携を図りながら入院前の早い段階から必要なケアを実施できる体制になっています。特に手術療法目的で入院される患者さんが多く、乳房温存術や乳房切除術だけでなく、乳房再建術を受けられる方も入院されます。また、近年、乳がんは遺伝的な要因が発症に関連し、原因遺伝子がいくつか明らかになり、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)と診断された方の手術も増えています。
乳がんの治療は長期に亘ることが多く、治療継続が困難になりBSC(ベストサポーティブケア)に移行する患者さんも少なくありません。患者さんやご家族の意向に沿えるように医師と相談しACP(アドバンス・ケア・プランニング)も実施しています。
部署目標として、昨年度は患者誤認防止と、化学療法を受ける患者さんへの看護ケアの充実に取り組みました。
こんな看護をしています
手術後はボディーイメージの変化が顕著に現れます。がんと診断された衝撃が覚めないまま、見た目の変化を受け入れなければなりません。手術後2日目からシャワー浴を実施し、初回のシャワー浴は看護師が付き添うことや、術後の下着の説明とともに、当院のボランティア支援室が手作りした乳房補正パッド『おまもりパッド』をお渡しすることなどを通して、乳房や創部を少しずつ受け入れられるよう支援しています。また、仕事のことや子供にどう伝えたら良いのかと不安に思う患者さんも多く、がん相談支援やCLS(チャイルドライフサポート)など多職種で連携して継続的に支援しています。
さらに、自家組織再建術では腹部や大腿部からドナーをつくるため、術後は創部を圧迫して過ごす必要があり、ドレーンを留置している部分も圧迫することからMDRPU(医療関連機器圧迫損傷)のリスクが高く、退院後も圧迫を継続するため皮膚トラブルを生じないよう手術後3日目から予防指導を開始しています。
化学療法や放射線治療を行う患者さんにも、治療内容に応じたセルフケア指導を行っています。自壊部に対して放射線治療を行い処置継続が必要となる患者さんもいるため、外来や地域連携室と情報共有し、退院後も必要なケアが実施されるように連携しています。また、在宅サービスを導入している患者さんに対し、直接事業所へ連絡し退院前カンファレンスも積極的に実施しています。
職場内研修
- 乳がんの治療と看護
- 自家組織再建術後の看護
- 化学療法・放射線療法と看護
- 乳がんと遺伝について
- アピアランスケア
- 退院支援・退院調整について
- セルフケア指導は冊子「乳がんの治療をこれから受ける方のために」を用いて実施
- 5S活動により整頓された物品の定位置
- 手術室から帰室する様子
- 当院のボランティア支援室が手作りした乳房補正パッド『おまもりパッド』