
診療科・部門紹介
歯科
最終更新日 :
2023年8月29日
歯科の診療内容
富塚 健
歯科部長
がん治療では、手術や抗がん剤などの薬剤、放射線(頭頸部の放射線療法)の影響で、口腔内にも様々な副作用(有害事象)が生じます。
当科では、以下の3つを基本として診療にあたり、口の中の環境を整えることによって、がん治療の完遂をサポートし、がん治療中、治療後のQOLをできるだけ維持するためにできることを歯科領域からアプローチします。
- 口腔細菌等が原因となる感染症の予防
- 治療に伴って生じる口腔に関連する副作用の予防と症状緩和
- 経口摂取のサポート
診療科の特徴
がん治療のサポート
口の中の状態をできるだけ整えて、がん治療をサポートします。
がん治療には、手術療法、化学療法、放射線療法がありますが、それぞれの場合に主に以下のような歯科的対処を行っています。
- 手術療法 : 手術に伴う傷(口腔がん、咽頭がん、喉頭がん など)に口の中の細菌が付着、繁殖しないように、予め口の中を専門的にクリーニングします。これはまた術後肺炎のリスクを低くすることにもつながります。
口の中の手術に伴って生じる顎の部分的な欠損に対しては特殊な義歯を作製して口腔機能や審美性の回復を図ります。 - 化学療法 : 口の中を予めきれいにすることにより、がん治療に伴って生じる口内炎が2次的に感染しないようにします。
また、低出力レーザーなどを使って、口内炎の痛みを軽減します。さらに、がん治療中で体の抵抗力が落ちているときに、歯周病等の慢性疾患が悪くならないようにできるだけ前もって歯科治療を行います。 - 放射線療法(頭頚部領域) : 治療中、放射線により引き起こされる口内炎、口腔乾燥による症状の軽減を図ります。
(口腔内のクリーニングや放射線防護用マウスピースの作製など)さらに、放射線治療後には虫歯が多発しやすいため、予め予防処置を行います。また、放射線の影響による顎骨骨髄炎が起こらないように治療開始前から必要な歯科処置を行います。
以上のように、当科ではがん治療中に口腔内で生じ得るトラブルをできるだけ未然に防ぎ、がん治療そのものが円滑に進むように対処し、さらにできるだけ口から食事をしていただけるよう歯科的にサポートします。