
中央手術部
中央手術部とは
大橋 学
中央手術部長
胃外科
入院および外来患者さんの手術を行うための中央部門です。また、中央手術部には中央滅菌材料室が併設されています。20室(全身麻酔室19、局所麻酔室1)の手術室で毎日約35-40件の手術を実施しています。2025年度は、麻酔科医師常勤34名(非常勤10名)・看護師72名・臨床工学技士10 名、事務担当2名で円滑に運営を行ってまいります。
手術実績
2005年に有明病院に移転して以来、多くの手術を行っています(下記グラフ参照)。2010年には手術室を1室増設(計15室)、2012年10月にはさらに1室増設(計16室)し、2014年8月には4室増室(計20室)となり、1日当り35-40件のがんの手術を行っています。2020年は新型コロナウイルス感染症蔓延の影響を大きく受けて手術件数が減少しましたが、その後は増加し、年間8500件程度の手術を行っています。
当院では、手術用ロボット(ダビンチXi)を2018年に2台導入し、2020年、2022年と台数を増やし、現在では4台を毎日フル稼働しています。ロボット支援下手術は、当初は泌尿器科、大腸外科で行っていましたが、その後呼吸器外科、胃外科、婦人科が開始し、さらに食道外科、肝胆膵外科、頭頸科も開始しました。ロボット支援下手術は他の手術同様に安全に行われており、2023年には初めて年間1000件を超え1027件になり、2024年には1104件になりました。
中央手術部では、患者さんに常に安全かつ効果的な手術を提供できるよう、万全の体制を整えています。また、受診から手術までの期間をできる限り短縮できるよう、効率的な運営に努めています。

手術に対する安全管理体制
当院では各科の手術が予定時間通りに且安全に実施されているかを手術部運営委員会で毎月チェックしており、その指標として手術時間(予定より2時間以上超過)と出血量(1000cc以上)を用いています。基準を超えた手術については科内で原因と対策を検討してもらい、その結果を運営委員会で報告し、議論しています。2024年度の実績では、予定時間より2時間以上超過した手術は全体の1.5%のみでした。大量出血(当院では1000cc以上と定義)に至ってしまった手術においては、各タイミング毎に術者・麻酔科医師・看護師が行うべき役割を明確にした大量出血ワークフローに従って、手術チームとして適切に対応しています。幸い、経年的(2019-2024年の比較)には大量出血の手術が多くの科で減少しており、手術の安全性がより向上したと判断しています。また、手術部内で発生したインシデントに対しても運営委員会で共有しています。再発防止のために、原因の追究と対策を協議しています。今後も年間8500件以上の手術が全て安全に施行できるように、病院全体で手術のさらなる安全管理に努めてまいります。