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診療科・部門紹介
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医療情報部

医療情報部

最終更新日 : 2024年2月26日

医療情報部とは

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小口正彦
顧問
医療情報部長

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鈴木一洋
医療情報副部長

医療情報は、がん研究会の重要な医学資産です。医療情報を高い精度で正確に保存し、将来のがん診療の発展のために様々な形で利活用できるように管理することを目標としています。

電子カルテが登場してから20数年が経過し、電子カルテなど診療情報システム自体も多機能化・複雑化してきているなかで、各部門の業務をサポートする専用業務システムも個別の発展を遂げてきています。一方で、インフラに目を向けると、ハードウェアや仮想化技術、そしてネットワーク技術も日進月歩であり、診療においてクラウド環境を利用することも可能になってきました。しかし、便利さと表裏一体であるセキュリティリスクも顕在化しており、長期間にわたって電子カルテを含む診療系システムが停止する事案も現実になっています。

そのような環境下においても、「自施設にfitする診療系システムの構築」を通じたIT化の推進、そしてその先にある「医療DXの実現」に向けて、チャレンジを続けています。

1 医療情報部体制

当院の医療情報部は、診療情報管理室・データベース開発室・AI医療推進室の3室で構成され、院内でソフトウェア・データベース開発を行うエンジニア、データベースに蓄積されたデータを企業等との共同研究で活用することを企画・運営する事務局、院内のがん診療データを管理し、がん登録やNCDに登録する作業を行う診療情報管理士が連携しながら活動しています。

2 実績

  1. 内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(第2期)「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」にD4「AIを有する統合がん診療支援システムの開発」をテーマに参画しました。 株式会社情報通信総合研究所・株式会社NTTコミュニケーションとがん治療成績の簡易ノモグラムを開発しました。株式会社日立製作所とAI薬剤師問診支援を開発しました。株式会社NTTデータと高度インフォームドコンセント支援ソリューションを開発しました。BIPROGY株式会社と医師アバターの説明支援システムを開発しました。研究所物理部内に、画像系AI研究開発ラボ設置しました。臨床的課題を解決するAI/機械学習研究を始めています。給食誤配膳防止システムを開発しました。AIを搭載したデジタル病理部門システムを開発しました。
  2. 内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(第3期)「統合型ヘルスケアシステムの構築」の サブテーマB-1「がん診療についての統合的臨床データベースの社会実装」 に参画しています。

【学会発表】

診療情報管理室
  1. 院内がん登録とDPCを使ったQI研究による胃癌術後化学療法開始時期について 日本がん登録協議会 第29回学術集会(2020.6.4)
  2. AIは胃がん術後の標準治療実施を予測できるか? 院内がん登録情報を用いた検討 日本がん登録協議会 第30回学術集会(2021.6.9)
  3. 院内がん登録から見る新型コロナ禍の影響 日本がん登録協議会 第31回学術集会(2022.6.2)
データベース開発室
  1. 日本放射線腫瘍学会 第31回学術大会(2018.10.13)
    • 治療RISデータの利活用:がん診療統合データベースとの接続
  2. 第38回医療情報学連合大会(2018.11.23)
    • がん診療統合データベースの構築:手術、化療、放射線治療、病理データの連結
  3. 第39回医療情報学連合大会(2019.11.23)
    • がん診療統合データベースシステムの活用 - 呼吸器外科におけるテンプレートデータの取得と NCD 登録データの変換出力-
  4. 第41回医療情報学連合大会(2021.11.21)
    • がん診療統合臨床データベースの活用 - レジメン詳細情報の院内共有とレジメン投与歴の後方視的確認 -
  5. 第42回医療情報学連合大会(2022.11.20)
    • がん臨床統合データベースの活用:婦人科における手術・薬物療法・放射線療法の統合管理
    • がん臨床統合データベースの活用:胃外科における予後情報の自動取り込み
  6. 第43回医療情報学連合大会/第24回日本医療情報学会学術大会; (2023.11.22-25)
    • AMED革新的がん医療実用化研究事業における臨床情報自動収集の取り組み.
    • FHIRを利用した「病理検体トレーサビリティ情報記録システム」の開発.
    • 術前中止薬情報確認システムの開発と薬剤師による入院前面談での活用.
  7. 第82回日本癌学会学術総会; (2023.09.23)
    •  How to close the cancer care gap with Information Technology:がん医療格差を情報技術で埋める.

【論文】

  1. 集学的がん診療に特化した統合データベースシステムの開発 医療情報学 38(4):227-233, 2018
  2. がん診療統合データベースシステムにおける機械学習を用いたNCD術式の予測可能性の検討 医療情報学40(5): 257-267, 2020
  3. がん研有明病院におけるAIホスピタルの取り組み:人工知能を有する統合がん診療支援システムの開発 医学のあゆみ282 (10): 932-937, 2022
  4. がん検診推奨年齢とがん検診情報を機械学習したがん発症リスク予測モデルを用いたがん発症高リスク者の抽出方法の検討 医療情報学43(5): 205-217, 2023

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