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診療科の特色
がん研有明病院の救急部には以下の使命があります。
- 多数のがん患者さんを診療しているがん専門病院としてのがん救急医療
- 有明という国内でも希有な立地における地域救急医療
- がん患者さんの終末期における救急医療
- 院内急変対応と院内救急教育
1. 多数のがん患者さんを診療しているがん専門病院としてのがん救急医療(OE:オンコロジック エマジェンシー)
がん救急医療(OE)は、がんの進展や治療に伴って発生し、緊急な治療を要する一群の病態のことです。具体的には、腫瘍そのものの増大進展により臓器が圧迫、閉塞されて起こる病気や、腫瘍から生じる特殊なホルモンによって起こる病気、がん治療の副作用や合併症によって起こる病気があります。がんの特殊性を理解し、早期診断と早期介入をすることで、予後やその後の生活の質を維持する事が可能となるため、がん救急は、がん診療における重要な役割を担っています。
2. 有明という国内でも希有な立地における地域救急医療
二次医療圏としては東京都区東部に属し、江東区、墨田区、江戸川区の138万7392人(2010年度国勢調査より)という大きなエリアを担っています。この地域の人口流入は増加の一途をたどり、都の試算における医療需要予測によると、2040年以降も増加の傾向が止まらない想定となっています。(全国平均では2030年にピークを迎える想定) また周辺には大規模商業施設が多いことに加え、築地市場の移転、2020年には東京オリンピックの開催を控えるなど多数傷病者発生のリスクも高く、救急患者の需要増大が見込まれる立地となっており、2次救急医療機関としての役割を果たす必要があります。
3. がん患者さんの終末期における救急医療
65歳以上のがんをお持ちの方がお亡くなりになる半年前に救急外来を受診する頻度は75%であったという研究結果があります。残念ながら現在の医療技術では制御できないがんがあるのも現実ですが、このような時に生活の質を維持しながら最後の時に向かう過程で救急外来を受診することは多いという結果です。このような方が受診された際に、各科と連携し救急外来から適切な対症療法と緩和ケアを行える体制を整えていく予定です。
4. 院内急変対応と院内救急教育
当院には、がん治療のため入院している患者さんの急変対応システムとして院内救急医療チーム(Medical Emergency Team,MET)があり、Oncologic Emergency and Disaster Center (OEDC)内の集中治療部と協働し、院内での急変初期対応を行っています。また、院内の全職員が、確実に急変時の初期対応ができることを目標に、週1回の心肺蘇生の基礎を学ぶBasic Life Support(BLS)講習会を2016年7月より開始し2019年6月時点で総計92回、1251名の受講生を受け入れ、コースの運営、インストラションを行っています。