臨床遺伝医療部
遺伝カウンセリングとは
「自分は若くしてがんを発症したのでがんにかかりやすい体質なのではないか」、「がんに罹患した方が家族に何人もおり、自分の家系はがん家系ではないか」、といったご懸念を抱えている方がいらっしゃると思います。
また、がんの治療を受けている担当医から、「あなたのがんには遺伝が関係しているかもしれないので、専門家に相談した方がよい」と勧められたという方もいらっしゃるでしょう。
このような場合に、利用していただけるのが遺伝カウンセリングです。
遺伝カウンセリングでは、臨床遺伝専門医(遺伝に関する専門医)や認定遺伝カウンセラーが、がんと遺伝、遺伝性腫瘍症候群や遺伝学的検査、遺伝性腫瘍症候群と診断された場合のがんへの対策等について、正確で適切な情報を提供しています。
同時に、ご本人やご家族が何歳の時にどのようながんにかかったことがあるのかなど(家族歴)を確認しますが、ほとんどの遺伝性腫瘍症候群の診断には遺伝学的検査を行います。選択できる遺伝学的検査が複数ある場合には、それぞれの検査の違いをご説明します。
遺伝学的検査をお受けになる前には、遺伝学的検査の医学的な意義だけではなく、遺伝学的検査による心理的、社会的な事柄についてもご相談いただけます。
遺伝カウンセリングではこのような情報をわかりやすくご説明し、お話をしながら進めていきます。その中で、自らのお考えや選択が見えてくる方もいらっしゃいます。
遺伝学的検査の結果、遺伝性腫瘍と診断された方には生涯にわたって、計画的ながん検診やがんの発生を予防する方法などの対策が勧められています。その場合には国内外の指針等を参考にしながら適切な予防医療を提案し、様々な診療科と共同で、継続的な支援を行います。
また、血縁者(ご両親、ごきょうだい、お子さんなど)の方は、家系内の遺伝性腫瘍症候群の診断結果を活用し、がんの早期発見などの健康管理に役立てることもできます。遺伝カウンセリングはがんと診断されたご本人だけではなく、その血縁者の方もご利用いただけます。
当部の遺伝カウンセリングは、日本人類遺伝学会と日本遺伝カウンセリング学会が認定している臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラーが担当いたします。
- 「がんと遺伝」について以下の動画で詳しく説明をしております。
