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診療科・部門紹介
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胃外科

胃外科

最終更新日 : 2021年9月24日

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※ こちらのページは医療機関向けとなりますが、一般の方もご覧いただけます。 


変わらぬ診療体制で

平素より沢山の患者さんをご紹介頂き、誠にありがとうございます。コロナ禍において皆様にはまだまだ大変な状況が続いているかと存じます。当院ではコロナ対策に配慮しつつ、安全にいつもと変わらぬ精度で内視鏡診断、手術、化学療法を継続し、可能な限り期待に応えたいと思っております。院内におきましてもwebを活用し、1例1例しっかりカンファレンスで検討しております。治療方針に悩む症例は消化器センター全体のキャンサーボードで討議いたします。

(胃外科部長 布部 創也)

胃外科スタッフ紹介

佐野 武
病院長
布部創也
部長
大橋 学
副部長
熊谷厚志
医長
井田 智
医長
幕内梨恵
副医長
速水 克
副医長

消化器内科スタッフ紹介

藤崎順子
部長
平澤俊明
胃担当部長
由雄敏之
食道担当部長
石山晃世志
副部長
堀内祐介
医長
吉水祥一
副医長
並河 健
副医長
渡海義隆
副医長

消化器化学療法科スタッフ紹介

山口研成
部長
陳勁松
外来化学療法部長
篠崎英司
副部長
高張大亮
副部長
大木暁
医長
若槻尊
医長
小倉真理子
副医長
中山厳馬
副医長
大隅寛木
副医長

胃切除術前・説明動画を公開しています

がん研胃外科では、これから胃がんの手術をうける 患者さんを対象に術前説明用の動画を作成しました。 動画はYouTubeで閲覧出来ます。右図のQRコードからもご覧になれます。(https://youtu.be/kwiYQ8g5CIA)

PERICANの取り組み: 栄養管理部のご紹介

当院では、多職種による周術期管理チームをPERICAN (Perioperative team at Cancer Institute Hospital:ペリカン)と名付け活動しています。その中で、今回は栄養管理部の取り組みをご紹介します。

胃がん術後早期の体重減少が、補助化学療法の完遂率、ひいては予後に影響する可能性が報告されています。当院では従来、胃がん術後1週間目と1カ月目に栄養指導を行っていましたが、これまで以上に「痩せさせない」ために、術前の外来栄養指導と術後2ヶ月の電話栄養指導を追加しました。入院前は患者さんの栄養状態確認と術後の食べ方の指導を行います。外来担当と病棟担当栄養士で情報を共有し、入院後も円滑な介入を心掛けています。術後2ヶ月の電話栄養指導により、「コロナ禍で外出は控えたいけど食事がまだ不安」という患者さんも安心して栄養指導を受けることができます。(栄養管理部 藤原 彩) 

Dr.平澤の内視鏡クイズ

50歳代女性、既往なし、内服なし、除菌歴なし。血清ピロリ抗体陰性。

Q:次の内視鏡画像を診断してください

A: 胃MALTリンパ腫

【解説】MALTリンパ腫は1983年にIsaacsonとWrightによって提唱されたB細胞系の低悪性度のリンパ腫である。粘膜関連リンパ組織(mucosa-associated lymphoid tissue: MALT)を発生母地とし、リンパ濾胞のmarginal zoneから発生すUる。内視鏡像は多発するやや境界不明瞭な褪色陥凹を呈することが多い。NBI拡大ではTree like appearance (木の幹からあたかも枝が分岐したような微小血管像)を認める。  MALTリンパ腫の原因として、ピロリ感染が知られているが、近年ではピロリ未感染のMALTリンパ腫が多くなってきており、遺伝子転座が原因のことが多い。がん研の胃MALTリンパ腫症例の半数以上がピロリ未感染である。

ピロリ未感染の背景粘膜に多発する褪色陥凹は、MALTリンパ腫を鑑別にあげる

胃がんグループの取り組み

【胃がんグループでのカンファレンスの実施】

  • 当院での胃がん診療の3つのポイント!!

右図に初診時から治療までの流れと主な3つの特徴を示します。

  1. 迅速な精査
    ご紹介頂いた患者さんは、基本的に初診時に、遅くとも1週間以内に内視鏡やCTなど必要な検査を行い、大まかな治療方針を決定します。
  2. 内視鏡画像の全例レビュー
    外科切除症例であっても全例内視鏡医のカンファレンスにて画像を見直し、深達度診断などを行います。
  3. 胃がんグループでのカンファの実施
    毎週月曜日には、内科・外科・化学療法科にて、胃がんカンファレンスを行い最終的な治療方針を決定しています。その他、各科でもカンファレンスを行い、具体的な治療内容について検討しております。

このようにひとりの患者さんの病状を複数回のカンファレンスを通じて吟味することがより良い治療につながると考え、毎週繰り返し行っています。当院では迅速な診断と治療開始を心がけておりますので、外科症例でも初診から2週間程度で切除を行うことができています。

十二指腸腫瘍(腺腫・癌)に対する治療の動向

十二指腸腫瘍は稀な疾患であり、あまり注目されてきませんでした。しかし、最近になり発見される頻度が明らかに高くなっており、当院でも過去10年間で治療件数が約3倍に増加しております(図1)。その要因として、内視鏡検診の普及により十二指腸が直接観察されるようになったことや、H. pylori罹患率の低下や食事の欧米化に伴い、十二指腸の疾患構造が変わってきている可能性が示唆されています。

一方で、十二指腸腫瘍の内視鏡治療は他の消化管と比べて難易度が高く、術中・術後の穿孔など重篤な偶発症の危険性を伴います。当院では十二指腸腫瘍に対する低侵襲手術として、胃外科と上部消化管内科がチームを組み内視鏡腹腔鏡合同手術(D-LECS)を行うことにより、大きな十二指腸腫瘍に対しても安全に局所切除が可能となっております。