
胃外科
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ごあいさつ
われわれ、がん研有明病院 消化器センター 胃外科では「あきらめない胃外科」をモットーとして、日々の臨床を行っております。
最も多いセカンドオピニオンの患者さんは「手術ができないと言われたが?」「胃を残せないか?」「手術までに1月以上待たなければなりませんか?」といった内容であります。われわれは、患者さんのこれらの問いかけに対して、「化学療法などのMultimodality の治療戦略によって、手術への道を諦めない」、「正確な内視鏡診断により切離線を決定し、胃を残せないと諦めない」、「手術まで2週間をめどに準備を進める」という答えを以って診療にあたっております。
先生方とご一緒にあきらめない治療を共有させて頂きたいと思います。何卒よろしくお願い申し上げます。
(胃外科部長:比企 直樹)
手術症例数は徐々に増加し、2016年は700例となりました。うち、腹腔鏡手術は60%を占めています。
がん研有明病院 胃外科の取り組み
- がんを取れないと諦めず
- 他臓器転移などがあり、切除不能と診断された胃癌に対しても腫瘍内科との連携で化学療法と手術を組み合わせた積極的な治療に挑んでいます。化学療法が奏功し、根治切除が行える”conversion”症例も増えてきています。
- また胃から少し離れた場所に、大きなリンパ節転移が存在する症例は手術のみで治すことが困難と考えられています。そこで新たな取り組みとして、手術前に抗がん剤治療を行い、がんの勢いを抑えてから手術を行う術前化学療法も積極的に行っています。
- 心疾患を含めた全身状態の悪い症例でも、近郊の他病院との連携により、手術を受けられる体制を作り、なるべく症例を選ばず手術をしています。
- 胃を残せないと諦めず
- 「胃を残して欲しい」ということは当科にセカンドオピニオンを求めて受診される患者さんの強い要望であり、この要望に少しでも多く答えることができるように日々努力を重ねています。
- 消化器内科、内視鏡科と合同でカンファレンスを毎週行い、安全な切除範囲を設定しています。
- 機能温存の目的で、通常胃全摘と言われる症例でも噴門側胃切除術や胃亜全摘術などにより、積極的に胃を残す手術を計画しております。
- このような取り組みにより、腹腔鏡下胃全摘術が12例と激減し、噴門側胃切除術:43例、幽門側胃切除術:201例と増加しています。
- がんと診断されたらすぐに手術を
- 初診時に内視鏡を含め、ほとんどの必要な追加検査を行います。
- 初診から1週間で、遅くとも2週間以内に入院・手術を行うという計画で進めます。
周術期管理チーム(PERICAN)の取り組み
当院では、多職種からなる周術期管理チーム(通称:ペリカン)を結成し、合併症の軽減に努めています
主な構成メンバーは、胃外科医師・看護師・歯科医師・栄養士・薬剤師・ 理学療法士などです。
患者さんに安心して手術を受けていただけるように、手術の内容や術後の注意点やケアの流れなどを簡潔にまとめたPERICAN冊子を外来にて渡しています。
入院中だけでなく退院後の注意点をわかりやすく記載されていると患者さんにはおおむね好評です。
当科ではすべての術式で、術後1日目から飲水を開始し、2日目にジュース、3日目から五分粥食を提供しています。カロリーメイトなどの補助食品も併用し、術後の体重維持に努めています。
さらに、術後の行動目標を設定し、術翌日朝から歩行を開始しています。
このような取り組みもあり、術後在院日数の平均は10日と短くなっています。
胃外科最新ニュース
平成29年度の胃外科はスタッフ7名、レジデント10名の計17名で診療に当たっております。
スタッフ

レジデント
江藤、安福、加納、庄司、津田、大橋、高橋、平山、八木、李

編集後記
今回はがん研有明病院・胃外科通信第一号として、当科の取り組みについての概要をご紹介いたしました。今後は、年3-4回の定期配信を予定しておりますので、胃外科通信を通じて、われわれの取り組みをご紹介していきたいと思います。