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診療科・部門紹介
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胃外科

胃外科

最終更新日 : 2021年4月21日

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※ こちらのページは医療機関向けとなりますが、一般の方もご覧いただけます。 


胃がんオンラインセミナーを開催します

がん研有明病院 胃がんグループでは、「もっと知ってほしい胃がんのこと〜胃がんの 予防・診断から最新の治療まで〜」と題してオンラインセミナーを開催します。いつもご紹介して頂く先生方だけでなく、がん患者さんや一般の方など、どなたでもご覧いただける形で準備しておりますので、お楽しみ頂ければ幸いです。(参加無料:要申し込み)

■お申込み方法 https://www.cancernet.jp/30733

胃切除術前・説明動画を公開しています

がん研胃外科では、これから胃がんの手術をうける 患者さんを対象に術前説明用の動画を作成しました。 動画はYouTubeで閲覧出来ます。右図のQRコードからもご覧になれます。(https://youtu.be/kwiYQ8g5CIA)

AIを用いた胃癌診断

当科ではAIメディカルサービス(株)との共同開発によりAI(人工知能)技術の胃癌診断への利用を目的とした研究を進めています。今回はAIを用いた胃癌と胃潰瘍の鑑別診断についての研究成果を紹介します。

胃癌100病変と胃潰瘍120病変をAIが鑑別→95.9% (胃癌99%, 胃潰瘍93.3%)が正診

【AIによる診断能テストの実際の例】

正解病名 :早期胃癌

AI診断 :早期胃癌

※AIの診断に対する
確信度:97%

正解病名 :胃潰瘍

AI診断 :胃潰瘍

※AIの診断に対する
確信度:97%

熟練した内視鏡医であっても判断に迷う様な病変もテストデータに含まれる中、AIは  高い正診率で胃癌と胃潰瘍の鑑別を行う事ができました。その他の疾患を学習させる事により、多くの疾患を鑑別する事が可能となり、実用性の高いAI内視鏡ソフトが開発出来る可能性が示唆されました。胃癌早期発見への日本中、世界中での貢献を目指し、当科では今後もAI研究を続けていきます。

(消化器内科 副医長 並河 健)

Dr.平澤の内視鏡クイズ

Q:胃癌の深達度を考えてください

A: 粘膜下層深部浸潤癌: pT1b(SM2:1200μm)

【解説】

背景粘膜はC-2の萎縮(除菌後)である。体中部後壁に10mm大のUa+Uc病変を認める。病変が存在する背景粘膜は非萎縮であり、非萎縮粘膜内には未分化型癌ができやすい。見下ろしの接線方向の観察では、辺縁の立ち上がりはなだらかで、SMT様である。この所見を「台状挙上」といい、  SM2の所見である。台状挙上は空気を多く入れて、胃壁を強く伸展させて判断する。

【外科術後病理診断】

体中部後壁、0-Ua+Uc、12×7mm、tub2, por、pT1b(SM2:1200μm)、 pUL0、 Ly0、V0

台状挙上はSM2のサイン

お知らせ:ロボット3台目導入しました

当院胃外科では2019年1月から手術支援ロボットを導入し、「ロボット支援下胃切除術」を開始いたしました。さらに2020年1月からは3台目を導入し、より手術件数を増やすことができる体制となっております。

ロボット手術はペーシェントカートを術者がコンソールから操作して行います(右図)。ロボット手術の何よりの利点として、鉗子の 関節がヒトの手のように自由に動き、従来の腹腔鏡下手術のような動作制限がない点が挙げられます。その他にも手ブレ防止機能や高精細3D画像により、腹腔鏡手術よりも繊細な動作ができることで、合併症を減らすことが期待されています。

(胃外科副医長:幕内 梨恵)

ペーシェントカート
コンソール
実際の手術風景

新型コロナ感染症の胃がん手術への影響

国内で新型コロナウイルス患者の発生が確認されてから早一年が経過しました。

先生方におかれましては、感染対策を行いながらの内視鏡検査や外来診療など、大変な1年だったことと存じます。

当院でもこのコロナ禍において胃癌手術症例は減少しており、2020年は2019年と比べ早期胃がん症例の割合が減少していました。検診の重要性を再認識しています。

がん研では今後も開業医の先生方と協力して胃がんの早期発見・治療に努めていきたいと思っています。

(胃外科医員 西江尚貴)